省電力化、高信頼性を実現するウルトラワイドバンドギャップ材料の動向と取組み

掲載日 2026/03/06

1.      次世代化合物半導体材料「UWBG」(Ultra Wide Band Gap)とは

パワー半導体は長らくSi(シリコン)を主材料として発展してきた。しかし、近年の電動化や電力高効率化に伴い、高温・高電圧・大電流環境での動作要求が加速。Si材料では、高温時のリーク電流増加や耐圧限界といった物性面での制約が顕在化し、システム全体の損失低減を阻む要因となっている。この課題を背景に普及が進んだのが、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)に代表されるWBG(ワイドバンドギャップ)材料である。これらはSiに比べエネルギーロスを大幅に抑制し、機器の小型化と高信頼化を実現。すでにEV、産業機器、再生可能エネルギー分野で採用が急拡大している。

現在、データセンターの増設や電力インフラの更なる大電力化を受け、SiCやGaNを凌駕する次世代材料の研究開発が活発化している。それが、UWBG(ウルトラワイドバンドギャップ)化合物半導体だ。主な材料には、酸化ガリウム(Ga₂O₃)、ダイヤモンド(C)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ゲルマニウム(GeO₂)などが挙げられる。このほか立方晶窒化ホウ素(c-BN)なども確認されているが、本稿では主要な4材料を中心に解説する。これらはバンドギャップをはじめとする主要な物性値において、SiCやGaNをさらに上回る優れたポテンシャルを秘めている(表 1)。

表 1  UWBG化合物半導体と物性値について

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