半導体時事特集 〜次の成長市場として注目されるインド〜
掲載日 2026/05/29
半導体業界では近年、米中対立を背景としたサプライチェーン再編が進む中、インドが新たな半導体産業の地として、存在感を高めている。大手企業による半導体工場建設計画やパイロットライン整備が相次いでおり、「次の成長市場はインド」との声も多く聞かれる。さらにインド政府も半導体工場建設に対して、多額の補助金を出している。
本特集では今注目を集めるインドの半導体産業について、現状の企業動向と課題をまとめる。
1. なぜ今インドなのか
インドの半導体市場は、スマートフォン、自動車、データセンターなどの需要拡大を背景に、2023年の5兆7,000億円から2030年には15兆円規模へと成長が見通されている。[1]
元々インドは半導体製造分野では発展途上である一方、設計分野では既に世界有数の拠点となっている。Bastion Researchによると、世界の半導体設計エンジニアの約20%がインドに所在しているとされ、QualcommやIntel、NVIDIA、AMD(Advanced Micro Devices)などの大手半導体企業は、ベンガルールやハイデラバードを中心に大規模な設計開発拠点を展開している。[2]
2024年時点でインドは半導体を台湾や韓国、中国からの輸入に依存しており、脱却しようと自国での半導体製造ライン建設を開始している。[3] さらに米中対立を背景に、米国側と中国側でサプライチェーン分断の動きが加速しており、世界の半導体産業全体としても脱中国化が進み、中国に代わる代替地としても注目されている。
このような動きの中で、インド政府は半導体産業誘致のために積極的な補助を開始している。インド政府の取り組みを次の章で示す。
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