AI産業が牽引する半導体の2026年設備投資動向
掲載日 2026/06/05
2023年、半導体産業は新型コロナウイルスによる半導体特需から、在庫調整により、メモリを中心に市場が縮小した。しかし、2023年に米Open AIが大規模言語学習モデル(LLM)Chat-GPTをVer3にアップデートしたことで、生成AIブームが巻き起こり、ハイパースケーラと呼ばれる米大手テック企業がAIサーバに莫大な投資を開始した。それによって米NVIDIA、NVIDIAの半導体を製造する台TSMC、そしてTSMCに製造装置や材料を供給する企業が恩恵を受けた。この勢いは2026年5月現在、留まることを知らない。
今回の特集では増々活性化する2026年の半導体産業において、各階層の主要な設備投資動向を追い、まとめていく。
2026年のハイパースケーラの設備投資動向
2025年は、AI半導体を中心に、半導体各社が好調であった、2026年もハイパースケーラを中心に、AIサーバー(半導体)への積極的な設備投資は継続されると見られる。下記に各ハイパースケーラの2025年と2026年の設備投資金額をそれぞれ掲載した。
企業 | 2025年設備投資実績 | 2026年見通し・計画 | 前年比(成長率 中央値より) |
Amazon | 1,318億ドル | 2,300億ドル | 約%増 |
Microsoft | 800億ドル | 1,900億ドル | 約194%増 |
Alphabet | 914億ドル | 1,800~1,900億ドル | 約102%増 |
Meta | 697億ドル | 1,250~1,450億ドル | 約87%増 |
Apple | 127億ドル | 140億ドル | 約10%増 |
合計 | 3,856億ドル | 7,490億ドル | 約95%増 |
表1 ハイパースケーラの設備投資動向
表のように、各社とも設備投資金額を大幅に引き上げており、その各社ともに投資金額を引き上げている。その中で、米Appleだけが設備投資競争から一線を画しているが、これは同社が多数の個人向け端末を販売しており、これらのデバイスがNeural Engine(NPU)側で多くのAI処理を行うため、中央の巨大データセンターを自社で大量に抱える必要が無いことに起因する。
一方で、積極的な設備投資を行うハイパースケーラ各社は、本格的に立ち上がり始めたAI産業の中で主権を握ろうと、巨額の設備投資を進めている。Amazonでは、アンディ・シャシーCEOが一生に一度の機会であるとして、AWSのAIインフラ構築に資金を集中させている。同社にはOpen AIからの1,000億ドルを含む、顧客からの大量予約があり、その金額的な裏付けを持って、莫大な設備投資金額を回収できるという算段である。また、同社では独自のAIチップ「Trainium」を開発しており、同チップをAWSに大規模に導入することで、従来はNVIDIA製GPUによって高額化していた調達コストを削減することを狙っている。
図1. AWSのAIアクセラレータ AWS Trainium
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