接合

1.接合技術と課題

 現在、2枚のウェーハを常温で貼り合わせる常温接合技術が注目されている。半導体の微細化の限界を超えるために、2.5D、3Dといった新しいパッケージ術においてプロセス品質を高めるために重要な技術として注目されている。
 TSV(シリコン貫通ヴィア)を利用した3D実装を考えると、上部のウェーハと下部のウェーハとの間で高精度の位置合わせが必要となる。熱によるウェーハの変形を抑えるためには、可能な限り低温・短時間での処理が望ましい。現在、CMOSイメージセンサ(CIS)ではTSVを利用した3D実装を実現するためにウェーハ接合が行われている。
 CISのウェーハ接合には、ウェーハフュージョンボンディング・プロセスが採用されている。フュージョンボンディングでは、ウェーハ表面を親水処理し、貼り合わせたうえで加熱することで、接合を行う。しかし、最先端のパッケージ技術への応用においては、より高精度化が求められる。プロセス精度を高めるためには、熱処理が課題となる。このため、より低温、常温での接合が望まれている。
 ウェーハフュージョンボンディング用装置としては、東京エレクトロンのSynapseシリーズ「Synapse Si/Synapse S」がCSI向けに実績を残している。また、MEMS向けのウェーハボンディング装置では、米EV Gruop社が接合装置「GEMINIR FB XT」に搭載可能な「SmartView NT3アライナ」を組み合わせた高精度接合装置を製品化している。

2.常温接合とは

 常温接合には、表面活性化タイプ(SAB)と原子拡散タイプ(ADB)がある。
 SABは、高真空中で接合する材料の表面にイオンビームや中性原子ビームを照射することで、材料表面に酸化膜や吸着層を除去し、ダングリングボンド(結合の手)を表出、活性化させる。この活性化した表面同士を合わせると、加熱することなく強固な接合を実現する。Si同士だけでなく、GaAs、GaNなどの他の半導体材料、酸化物結晶などとも良好な接合を形成できる。しかし、酸化膜、窒化膜、ガラスという非晶質系材料の接合が困難という課題がある。しかし、現在はSi酸化膜同士の接合も可能にした装置も開発されている。

 

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