BSPDN形成用プロセスと装置

1.裏面供給配線網(BSPDN)技術

 現在のロジック配線では、ウェーハ表面上で信号配線層の上に、電源配線層が設けられている。しかし、電源配線はトランジスタと直接接続する必要があるため、接続のための配線を10層を超える下層の信号配線の間を通す必要がある。このため、配線密度を高める妨げとなる。また、電源配線自体も多層化していくため、信号配線層をあわせ20層を超える多層を貫通させる必要があるため、電気的特性が損なわれる可能性がある。

 このような課題を解決するために注目されているのが、ウェーハ裏面からトランジスタに直接電源を供給する裏面電源供給(BSPDN)技術である。プロセスノードで2nm以降、トランジスタ構造としてGAA(Gate All Arround)の採用と同段階での実用導入が予想されている。
 また、BSPDNの懸案はコスト面にもある。BPSDNは一個のロジックチップを作成するために、トランジスタと信号配線が形成されたウェーハと、電源配線が形成されたウェーハの2枚のウェーハを使用しなければならない。半導体製造材料コストの大部分を占有するのがシリコンウェーハである。この2枚のウェーハと、付随する製造材料の増加により、BSPDN製造コストは約二倍に増加すると考えられる。コストの課題をどう解決するかが今後重要になると見られる。
 BPSDNが求められる背景、概要についての詳細は、SEMI-NET特集「実用化間近!BSPDN (Back Side Power Delivery Network)とは」(https://semi-net.com/feature/preview/BSPDN)を参照していただきたい。


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