半導体製造における真空工学入門(中編)

掲載日 2025/06/27

前編に引き続き、半導体製造と真空工学の関わりについて特集する。

中編では 半導体製造における真空プロセス及び、その装置の具体例を詳細に解説していく。


真空を使う主な半導体製造プロセス

 真空を使う半導体製造プロセスで主なものを挙げると、

1) プラズマエッチング

2) 低圧CVD、プラズマCVD

3) スパッタリング

4) イオン打ち込み

 などがあり、それぞれ順を追って説明する。


1) プラズマエッチング

 エッチングプロセスには、薬液を使うウェットエッチングと、薬液を使わないドライエッチングがあり、ドライエッチングには、更にエッチングガスをプラズマ化して使用するプラズマエッチングと、Ar等の元素をウェーハ表面にぶつけて物理的にエッチングするスパッタエッチングがある。ここでは、量産で主に使用されるプラズマエッチングについて述べる。



 図1. プラズマエッチングの概念図


 プラズマエッチングは、エッチング用の反応性ガス(例: CF₄, SF₆, Cl₂)を数百mPa~数十Paの真空チャンバー内へ導入、これを電離し、プラズマ状態にすると、エッチングガスは高エネルギーのイオンやラジカル(活性種)が生成され、ウエーハ表面の物質と化学反応を起こす。反応成物の多くは、揮発してウエーハ表面から除去され、真空ポンプで排気される。

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