トップ企業の好調続く、日本企業も回復本格化:2020年10-12月期 半導体製造装置企業売上高

 半導体製造装置企業の2020年第4四半期(2020年7月~9月)、2020年通期(2020年1月~12月)業績発表が行われた。主要企業の動向をまとめていく。

 SEMIが発表した北米半導体製造装置企業の2020年12月売上高(3ヵ月移動平均)は26億8,080万米ドルで、前年同月比7.6%増、前四半期比では2.3%増となっている。2021年1月売上高(同)は前年同月比29.9%増に回復しており好調を維持しているとみられる。2020年通期の売上高は前年比22.6%増の297億8,270万米ドルとなった。 2020年の世界の半導体製造装置市場(見込み)を前年度比16%増の689億米ドルとしている。
 日本半導体製造装置協会(SEAJ)が発表した日本製半導体製造装置の 2020年12月売上高(同)は1,774億2,400万円で、前年同月比0.3%減、前月比0.3%減で横這いを維持している。1月から12月までの合計額は前年比10.4%増の2兆2,438億7,500万円となった。
 2021年に関してSEMIでは、World Fab Forecast(WFF)において同年の半導体前工程製造装置市場は前年比15.5%増と予測している。さらに2022年についても同12%増で80億米ドルを突破、2020年から3年連続で史上最高更新に向かうと期待している。

AMAT、Lam Researchなどトップ企業は成長を加速

 半導体製造装置企業では、Applied Materials(AMAT)、ASML Holdings(ASML)、Lam Researchというトップ企業は、メモリ、ファンドリ企業が行っている最先端プロセス向け投資に対応して、売上実績を伸ばしている。前年同期比ではAMATが24%増、Lamが36%増と高成長を続けている。
 ASMLは主力であるEUVリソグラフィ装置の供給能力の限界もあって成長率は5%だが、高水準を維持している。ASMLの通期売上高は前年度比18%増の139億7,900万ユーロとなった。EUVリソグラフィ装置の増産体制が整備されれば、さらに成長が加速することが期待される。
 東京エレクトロンの半導体製造装置事業売上高は2,643億円で、前年度同期比6%減、前期比20%減となった。韓国向け売上高が前期比で約半減したほか、日本向けが36.4%減、北米向けが21.6%減と売上を落としたことにより、売上高を前期から落とす結果となった。
 しかし、20年度第4四半期については、ロジック/ファウンドリおよびメモリの需要拡大に伴い、四半期売上として過去最高となる見込みを示している。
 海外企業では検査装置のトップ企業であるKLAは、ウェーハプロセス装置を扱っている上位企業と比較すると低いが、前年同期比9.4%増、前期比7.3%増と堅調に推移している。
 半導体テスタのトップ企業であるアドバンテストは、SoCテスタが前年度比4%増、前期比40%増と回復を見せた。メモリテスタは前年度同期比14%増となったが、第2四半期に大きな成長(前年度比60%増)となったこともあり、前四半期比は33%減となった。メカトロニクスやサービス事業は好調を維持、メカトロニクス関連売上高は前年度同期比23%増の118億円となった。

2021年に向けて回復が本格化する日本企業

 東京エレクトロン、アドバンテスト以外の日本企業では、SCREENホールディングス、アルバック、ニコン、キヤノンといった有力企業が前年度から成長を遂げている。
 SCREENでは2020年度第2四半期以降メモリ、ファンドリ向けに受注が回復、第3四半期売上高は前年度同期比6%増となった。2020年度通期の売上高見通しは前年度を上回る2,325億円となっている。
 アルバックでは2021年6月期の第2四半期以降回復しており、同期の半導体製造装置売上高は147億4,700万円で、前年度同期比28%増、前期比88%増と大幅な成長を記録した
 キヤノンでは露光装置全体では前年度同期比50%増となった。FPD用装置の売上台数が倍増、半導体用露光装置も前年度を12台上回り、39台となった。キヤノンの通期(2020年12月期)露光装置売上高は前年度比9%減の1,425億円となった。
 2020年度第3四半期のニコンの露光装置販売台数は、FPD用が前年度同期比2倍となる12台に拡大、半導体製造装置の落ち込み(前年度比同期比3台減の7台)をカバーした。半導体露光装置は主要顧客の投資一巡の影響もあり、販売台数が減少した。
 キヤノン、ニコンいずれも2021年1-3月期以降に回復を見込んでいる。
 ディスコ、TOWAの後工程装置企業では、2019年以降、2020年4~6月期まで厳しい状況が続いたこともあり、2020年10-12月期には相対的に大きな成長を続けている。ディスコは2020年度第3四半期に前年度同期比50%増の売り上げを記録した。TOWAも前年度比7%増となった。
 荏原製作所の売上高のうち、CMP装置は176億円で前年度同期比22.5%減となった。しかし、同期のCMP装置受注高は同17.2%増の326億円に拡大している。
 2020年度通期の同社精密・電子部門の売上高は前年度比10%増の1,411億円となった。CMP装置売上高は同18.6%増の742億円となった。2021年度(2021年1月-12月)では、同33.4%増の990億円にまで拡大することを見込んでいる。

関連特集

関連カテゴリー

「トップ企業の好調続く、日本企業も回復本格化:2020年10-12月期 半導体製造装置企業売上高」に関連する特集が存在しません。




「トップ企業の好調続く、日本企業も回復本格化:2020年10-12月期 半導体製造装置企業売上高」に関連するカテゴリーが存在しません。