半導体製造プロセス特集 ~半導体設計入門~

掲載日 2025/04/08

1. はじめに

今月からシリーズ特集として、半導体製造プロセスについて解説する。

この特集は、半導体の設計から最終検査まで、一般的な情報から少し専門的な情報まで幅広く提供することを目的としている。半導体の知識が全くない初心者の方から、ある程度学んだことのある方まで、この特集を全て読めば半導体業界とプロセスについて理解を深められるような内容の提供を目指す。

シリーズ第1回目は「半導体設計」について特集する。

半導体設計は、半導体の「頭脳」とも言える重要な工程だが、製造プロセスに比べて詳しく解説されることが少ないのが現状である。

しかし、今回の特集では半導体の一連のプロセスを初心者の方にも体系的に理解してもらうため、設計プロセスについても詳細な情報を提供する。

2. 半導体設計工程について

半導体設計とは、その名の通り「どのような半導体を作るかを決め、設計図を作成する工程」である。

この工程は大きく3つに分かれており、①「仕様決定」、②「回路設計」、③「フォトマスク(レチクル)作成」の3段階で構成される。

まず①「仕様決定」では、顧客がどのような半導体を求めているのかを話し合い、整理する。半導体の性能や価格等について具体的に話し合い、合意を得る。

次に②「回路設計」では、顧客と合意した半導体の仕様を満たす設計図を作成する。かつては手作業で設計図を作成していたが、半導体の複雑化に伴い、EDA(Electronic Design Automation)と呼ばれる設計支援ツールが不可欠になっている。EDAは、建築におけるCADソフトのようなもので、設計の自動化やエラーのチェックを行い、効率的な回路設計を可能にする。

「回路設計」の後、③「フォトマスク(レチクル)作成」で、完成した設計図をガラス基板上に転写し、フォトマスク(レチクル)を作成する。今後の特集で詳しく説明するが、「フォトリソグラフィ」と呼ばれる工程で、このフォトマスク(レチクル)を使用して半導体を製造する。

以上が半導体設計の概略である(図 1)。

図1 半導体設計(概略)

先ほどの説明ではざっくりとしすぎているため、半導体の設計についてもう少しだけ詳しく見ていく。前述の通り、半導体の設計について大きく「仕様決定」「回路設計」「フォトマスク(レチクル)作成」の3段階に分かれると記載したが、少し詳細化すると、回路設計の部分が細分化され半導体設計工程は大きく以下の6つに分かれる(図 2)。

図2 半導体設計工程

細分化された回路設計の各段階について説明する。

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