熱処理装置:2社の寡占続く

1.2020年市場は急回復

 今回は熱処理装置として、酸化拡散炉(以下、拡散炉)と減圧CVD装置(LPCVD)を取り上げる。
 拡散炉はウェーハ表面の酸化(酸化膜形成)、不純物の拡散を行う装置。 酸化プロセスに関しては、初期酸化に利用されている。 酸化膜形成は900~1100℃という高温で行われる。また、MOS構造のドレイン領域形成などを行う拡散プロセスは、処理時間も長くなる。
 LPCVDは酸化拡散炉と構造的にはほぼ同じだが、プロセス処理中の圧力を下げ(大気圧の1/100~1/10000)、ガス種類やガスの流し方を変えることで、酸化膜、Poly-Siなどの成膜を行う。酸化膜形成ではシラン(SiH4),酸素(O2)を原料ガスに利用しているので成膜時の温度を、450℃という低い温度に抑えることができる。このため、層間絶縁膜形成やゲート周辺の成膜に応用されている。
 熱処理装置の方式は、1回に大量のウェーハを一括処理するバッチタイプが主流。装置の構造は円筒状の石英反応管にウェーハを挿入して、一括してヒータで加熱するというもの。200mmウェーハ以降、石英反応管を縦にしてウェーハを水平に支えるボートを下方から挿入する縦型炉方式となっている。
 一度に処理する枚数(バッチ枚数)は多いもので100枚以上になっている。一方、より精密なプロセス制御のため、バッチ枚数を25枚程度に抑え、プロセス温度を急速に昇降温することのできる装置も開発されている。

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