リソグラフィ光源(2022年1月21日)
掲載日 2022/01/20
1.リソグラフィ光源の種類と開発動向
現在使用されているリソグラフィ光源は、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)でのUV光源、KrF(波長248nm)、ArF(波長156nm)のDUV光源、さらに最先端のEUVリソグラフィシステム向けのEUV光源(波長13.5nm)がある。
UV光源は高出力のハロゲンランプ、DUV光源はエキシマレーザ光源が使用されている。EUV光源は13.5nm波長のプラズマ発光レーザ光源が使用されている。
1)UV用光源
UV用光源としては高圧水銀ショートアークランプが使用されている。500w~35kWという高出力品も製品化されている。
2)DUVエキシマレーザ光源
現在のDUV光源は、真空チャンバ内でKrとFの混合ガス(KrF)、ArFの混合ガス(ArF)に対してパルス放電することでKrFエキシマ、KrFエキシマを励起、エキシマの分解時に放出される光およびそれによって誘導放出される光をレーザ共振器で増幅してチャンバから引き出して利用する。発生したレーザ光は、リソグラフィプロセスで使用できるように色収差を抑えるため狭帯域化モジュール(LMM)でスペクトル線幅を狭帯域化し、リソグラフィシステム内に送り込まれる。
ArF液浸プロセスではドライタイプよりも高い出力が必要となる。このため共振器を搭載した2台のチャンバを搭載して、1台のチャンバ、LMMから引き出したレーザ光をもう一台のチャンバと組み合わせることで出力を増強するというインジェクションロック(IL)方式の光源の採用が進んでいる。IL方式の光源では、90Wという高出力を実現、高い出力が要求される液浸ArF用光源としても使用されている。将来的に要求される120Wに対応するための開発が進めらている。
チャンバやモジュールは様々な付着物による汚染、プラズマや光によるダメージなどがあるため、定期的なメンテナンスが必要となる。量産性を高めるため、メンテナンス時間の短縮、メンテナンス間隔の長時間化に向けての開発も進められている。
ランプタイプの光源も開発されているが、半導体リソグラフィ用途では使用されていない。
続きをご覧いただくにはログインしていただく必要があります。
関連特集
関連カテゴリー
「リソグラフィ光源(2022年1月21日)」に関連する特集が存在しません。
「リソグラフィ光源(2022年1月21日)」に関連するカテゴリーが存在しません。