マイクロLEDの現在地

Micro LEDの現在地

マイクロLEDは、耐久性、ディスプレイ輝度、低消費電力であることから「夢のディスプレイ」であると言われている。当初は、85インチTVが約1,600万円するなど、非常にコストが高いディスプレイであったが、近年は各マイクロLEDディスプレイ装置メーカーがより生産性の高い製造装置を発表するなど、少しずつ価格が低下している。 また、サイズが小さいスマートウォッチ向けでは、間も無く量産が開始されると報じられるなど、普及への動きが加速している。 台湾の調査会社であるTrendForceによると、マイクロLEDウエハ市場は2022年の1,400万米ドルから2023年には3,200万米ドルと2倍以上に成長する見込みであるとしている。 今回は2023年6月段階でのマイクロLEDの動向と今後の展望を応用製品、パネル/チップ、装置別にまとめた。

マイクロLED応用製品

マイクロLEDヘッドライト(日亜化学工業)

青色LEDの開発者の一人である中村修二氏も在籍したことで知られる同社だが、2023年2月には、マイクロLEDをヘッドライト光源に利用した製品を発表した。このヘッドライトは独自動車メーカーであるポルシェのEV旗艦車種「タイカン」に採用された。ヘッドライト1つ当たりマイクロLEDが約1万6,000個搭載されており、独半導体大手であるInfineon Technologiesが開発したドライバICが1つずつ点滅を調整している。図のようにInfineonのICドライバは日亜製マイクロLEDの下に垂直に統合されており、これも世界初だという。 また、このヘッドライトは現行の「タイカン」の2倍の明るさを持ち、600m先までを照射することが可能となっている。 この緻密な制御によって、「タイカン」は対向車や歩行者を検知すると、ドライバーや歩行者の顔の部分だけにハイビームライトが当たらないように調節することが出来るという。

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