PVD装置:2021年は急成長を期待

1.新材料、新構造への対応

 PVD装置の大半を占めるスパッタリング装置は、2000年頃まではAl配線形成で広く使用されていた。その後、配線材料の主流がCuに移り、Cu膜形成プロセスがダマシン構造とメッキによる埋め込みに代わっても、シード層、バリア層(Ta(N))の形成にはスパッタプロセスが使用されている。
 さらにデバイス構造の微細化が進むにつれ、新しい配線材料が求められるようになってきた。新配線材料としてはコバルト(Co)が期待されており、バリア膜としてルテニウムなどの新材料が検討されている。それらの膜形成プロセスにもスパッタリング装置の利用が検討されている。
 配線関連では配線とトランジスタ素子コンタクトでの低抵抗シリサイド形成のための装置開発も行われている。
 従来の配線プロセスに加えて、 高誘電率絶縁膜+メタルゲート(HKMG) 、FinFET、Gate All Around(GAA)などトランジスタ構造の複雑化に伴い、金属膜形成のためPVDプロセスのステップ数は増加、装置需要も拡大している。
 HKMG構造では、ゲート酸化膜にハフニウム酸化膜(HfO2)、ゲート電極TiNを採用した構造が広く使用されており、メタルゲート膜成膜ではスパッタリング装置が広く使用されている。
 また、アンダーバンプ・メタル(Under Bump Metal:UBM)、再配線層(Re Distribution Layer:RDL)といったパッケージング工程でのスパッタリングによる金属膜形成プロセスが使用されるようになっている。このような新しい応用分野の創出もスパッタリング装置の需要の広がりに貢献している。

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