2026年4~6月期 半導体業界動向レポート ―AIが牽引する技術革新と設備投資―

掲載日 2026/07/31

1. AIが大きく牽引した2026年2Q半導体業界

 2026年4~6月期の半導体業界では、生成AI市場の拡大を背景に、デバイス、製造装置、材料の各分野で投資と技術開発が活発化した。AI向けデータセンタの増設に伴い、先端ロジック半導体やHBM(広帯域幅メモリ)を中心とする先端メモリの需要が増加し、その影響は製造装置や先端パッケージ材料を含むサプライチェーン全体へと広がった。

本稿では、2026年4月~6月期の主要動向を「半導体デバイス」「半導体製造装置」「半導体材料」の3分野から整理し、振り返る。


 


2.2026年4~6月期の半導体業界動向

 

2.1 半導体デバイス

 2.1.1 ロジック半導体 〜GAAの生産が本格化、Intelの猛追が目立つ〜

 ロジック半導体分野では、生成AI向け需要を背景に、先端プロセスの開発競争に加え、チップレットや先端パッケージングを含むシステム全体の最適化が加速した。競争の軸はCPU(中央演算処理装置)、GPU(画像処理装置)、メモリなどを組み合わせたAIインフラ全体の性能と電力効率へと広がっている。


 台TSMCは4月に次世代プロセス「A13」を発表した。A14をベースに回路面積を約6%縮小しつつ設計互換性を維持し、2029年の量産開始を予定する。また、N2UやCoWoS(Chip on Wafer on Substrate)、SoIC(System on Integrated Chips)、光電融合技術であるCOUPE(COmpact Universal Photonic Engine)なども発表し、微細化と先端パッケージを組み合わせたAI・HPC(高性能コンピューティング)向け技術を強化した。


 米Intelは、「Intel 18A-P」がリスク生産に入り、18A比で同一消費電力時に9%の性能向上、または同一性能時に18%の消費電力削減を実現すると発表した。加えて、CFET(相補型電界効果トランジスタ)やルテニウム配線など次世代技術も公開し、トランジスタ、配線、材料を一体で最適化する開発を進めている また、アイルランドFab34の49%持分を約142億ドルで再取得し、AI時代を見据えた製造基盤の強化を進めた他、米Googleとの協業では、「Xeon」とIPU(Infrastructure Processing Unit)を組み合わせたAI・クラウドインフラの高度化にも取り組んでいる。

 日本では、Rapidus2nmロジック半導体量産に向けた体制整備が進展した。経済産業省は4月に約6,315億円の追加支援を承認し、さらに6月には、IPA(情報処理推進機構)から1,500億円の追加出資を実施した。Rapidusは北海道千歳市に解析センターと後工程研究開発拠点「Rapidus Chiplet Solutions」を開設し、製造、解析、評価、パッケージングを一体化した開発体制を構築した。今後は2027年度後半の量産開始に向け、歩留まり向上やPDK提供、顧客獲得が重要な課題となる。




図 1 Rapidus Chiplet Solutions開所式(RapidusのHPより引用)[1]

 

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