Huaweiの「τ(タウ)スケーリング則」が示す、次世代先端パッケージへの道筋
掲載日 2026/08/14
1.「Huawei」規制の中の製造と、最先端ファンドリーに追いつく道
先端半導体製造において、極めて重要な装置の1つであるEUV(極紫外光)露光装置を用いることが出来ない中国。その中国の大手通信機器メーカーのHuaweiが、2026年5月に中国上海で開催された「IEEE International Symposium on Circuits and Systems」において、ムーアの法則に代わる新たな法則「τ(タウ)スケーリング」の提唱と、その法則に基づいて、2031年にEUV露光装置を使用しない1.4nmノード相当の半導体を製品化することを発表した。
2.「τスケーリング」とは?
Huaweiが提唱している「τスケーリング則」とは、ムーアの法則に代表される「幾何学的な物理縮小」から、「時間的遅延の圧縮」へのシフトを主張するものである。ここでいうτとは、トランジスタのスイッチング速度から、回路伝播、チップ間通信、そしてシステム全体のデータ処理に至るまでに生じる「時間定数(伝播・処理遅延)」を意味している。ファーウェイは、ユーザーやアプリケーションが真に求めているのは「物理的に小さいトランジスタ」ではなく「エンドツーエンドでの処理速度(低遅延・高スループット)」であると定義した。微細化だけに頼るのではなく、デバイスからシステム全体にわたる4つのレイヤー(表1)でτを短縮(圧縮)することで、実質的なシステム性能と等価的なトランジスタ密度を高めていく。
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