2023年1-3月 日本の半導体製造装置企業の業績

2023年第1四半期は成長を維持

 本特集では日本の大手半導体製造装置メーカの2023年第1四半期(2023年1月~3月)の半導体製造装置関連売上高をまとめた。対象企業は、東京エレクトロンアドバンテストSCREENホールディングスディスコニコン荏原製作所キヤノン東京精密レーザーテックTOWA
 当該四半期の売上高は東京エレクトロンキヤノンを除いて、前年度同期を上回った。東京エレクトロンも前年度同期比1.1%減で微減に止まっている。キヤノンも半導体露光装置に限れば、前年度並みを維持している。半導体市況の悪化、設備投資の抑制などの動きが出ていたものの、同四半期までは国内半導体製造装置企業は好調を維持してきたといえる。この結果、2023年3月期を決算期とする企業7社の2023年3月期半導体製造装置関連売上高は、6社が前年度比を上回っており、うち5社は10%以上の高成長となった。しかし、受注は年度後半から悪化しており、2024年3月期に関しては各社とも厳しい見方をしている。

表1 日本の主要半導製造装置企業の2023年第1四半期(2023年1月~3月)売上高



各社の業績見通し

  各社の2023年以降の見通しを表2にまとめた。前述のように各社とも2023年度前半(2023年4月~9月)に関しては、「業績の底となる」とのきびしい見方をしている。年度後半から回復に向かうという点では一致しているもの、2023年度通期(12月期を含む)の見方では明暗が分かれている。

 東京エレクトロンアドバンテスト東京精密TOWAは2023年度については前年度比二桁減を予想している。これらの企業は大手メモリメーカ、ファンドリ、OSAT企業を対象としており、これらの企業の設備投資抑制の影響を受けることになった。

 これに対して、キヤノン(2023年12月期)、ニコンの露光装置の売上増を見込んでいる。キヤノンではメモリ向けの減少をパワーデバイス、センサ、後工程などの分野でカバー、ニコンは主要顧客以外への拡販などにより売上を拡大する計画である。荏原製作所はCMP装置について、受注残を処理することで確実に売上を伸ばし、 2023年12月期には前年度比30%超の成長を見込んでいる。SCREENも足下の受注状況、市況などを総合的に判断、前年度比10%増の成長を予想している。

表2 日本の半導体製造装置企業の業績見通し



主要企業の動向

 日本の大手半導体製造装置企業の2023年第1四半期業績を、企業ごとに表にまとめた。


表3 東京エレクトロンの2023年3月期第4四半期の事業分野別・地域別売上高(億円)


表4 アドバンテストの2023年3月期第4四半期の事業分野別・地域別売上高(億円)


表5 SCREENホールディングスの2023年3月期第3四半期の事業分野別・地域別売上高(億円)


表6 ディスコの2023年3月期第4四半期の事業分野別・地域別売上高(億円)


表7 ニコンの2023年3月期第4四半期の事業分野別・地域別売上高(億円)


表8 荏原製作所の2023年12月期第1四半期の事業分野別・地域別売上高(億円)


表9 キヤノンの2023年12月期第1四半期の事業分野別・地域別売上高(億円)


表10 東京精密の2023年3月期第4四半期の事業分野別・地域別売上高(億円)


表11 レーザテックの2023年6月期第3四半期の事業分野別・地域別売上高(億円)


表12 TOWAの2023年3月期第4四半期の事業分野別・地域別売上高(億円)


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