ネプコンジャパン2023プレビュー:微細化対応進む基板関連技術に注目
掲載日 2023/01/20
出展者数、来場者数ともに大幅増を見込む
2023年1月25日~27日の3日間、ネプコンジャパン2023が開催される。ネプコンジャパンはインターネプコン2023を中心に、エレクトロテスト・ジャパン(電子回路、基板設計)、微細加工EXPO(微細加工・精密加工・難材料加工の技術)、電子部品・材料EXPO(電子部品・電子材料、プリント配線板)、プリント配線板EXPO(5G向けを中心としたプリント配線板、材料、装置)、半導体・センサパッケージング展(半導体・センサのパッケージング装置、材料、受託加工)が同時開催となっている。
同じ主催者による他の展示会(6展示会)を含む総出展者数は1,420社。2,000社を上回っていたコロナ禍前と比較すると少ないが、前年実績(1,064社)と比較すると40%近い増加となった。来場者数も前年比3倍近い7万名を見込んでおり(2022年来場者数25,459名)、展示会としての回復が進んでいることが明らかになっている。
注目の企業、装置
ネプコンジャパンには様々なテーマの展示会が組み込まれているが、全体としては半導体パッケージ基板を含むプリント基板およびその製造装置・実装装置、材料、設計・テスト技術、製造サービスなどの展示が中心となっている。
なかでも今回は、デバイスの小型化、狭ピッチ化に対応するための微細化技術と対応材料、パワーデバイス、5Gなど現在拡大が進んでいる分野に向けた展示が多くなっているものと見込まれる。パワーデバイスに関して、2024年以降独立した展示会として運営されることになっている。
半導体の組立、実装に関連する装置、材料、関連サービスについて注目の企業・装置について取り上げていく。以下、( )内はブース番号。
装置企業
(1)オーク製作所(25-42)
微細化のキーとなる露光装置では、オーク製作所(25-42)が半導体パッケージング向けウェーハステッパ「PPS-8200/8300」、基板向けダイレクトイメージング(DI)装置「FDiシリーズ」などを紹介する。なお、同社がコンタクト露光装置およびUVコンベア装置などの事業をダイワに移管(2022年12月11日付)したことについては、ダイワ(23-14)が紹介する模様。
(2)サーマプレシジョン(24-48)
650×550mmのフルサイズ基板に対応、解像度はL/S=1.4/1.4μmに引き上げ、L/S=2μmの微細パターニングの可能な新製品「CMS(Cermo Micro Stepper)-Ck」を紹介する見通し。
各種薬液、樹脂などの塗布装置も様々な企業から展示される。注目企業を見ていく。
(3)石井表記(9-31)
石井表記からは、感光レジスト、絶縁材料、封止材などに対応した8インチ~300mmウェーハ部分/全面へのインクジェット塗布/乾燥装置、FPD向けで実績のある大型基板向塗布装置が出展される。
(4)エンジニアリング・ラボ(11-31)
ディスペンサの新製品として、トップビュー、サイドビュー、レーザー変位計を搭載し観察しながら塗布が可能な「Twin-air」シリーズを紹介する。
(5)武蔵エンジニアリング(7-26)
パワー半導体製造ではんだ、エポキシ樹脂に代わって導入が予想されるシンタリング(焼結)ペースト薄膜の高速・高精度塗布を可能にするディスペンスユニット「MSD3-HF」、電子基板へのソルダーペーストの高速・非接触塗布を可能にする「Super Hi Jet」などを紹介する。
(6)上野精機(12-8)
組立装置では、上野精機はパッケージを含む先端基板実装で重要になる「WLCSP」、ベアダイに対応したウェーハピックアップタイプのハンドラとして毎時7万個の高速処理が可能な「RS-evo」、さらに300mmウェーハから300mmウェーハの高速貼り替え装置「WS-evo」(ダイ外観検査にも対応)など、高速・高精度なevoファミリを中心に展示する。
(7)オカノ電機(8-8)
チップ移載装置ではオカノ電機がピックアップ時のチップダメージレスの高速チップ整列機「OVH-2011」 、極小チップ多機能移載装置を紹介する。
(8)Kulicke&Soffa(27-14)
海外企業で半導体組立装置の大手企業である米Kulicke&Soffa社(27-14)の展示の中心は、最新の高速ワイヤボンダ「RAPID Pro」。独自機能「リアルタイムプロセスモニタリング」でボンディング中の様々なプロセス情報をリアルタイムで監視、潜在的な不良を早期に発見することが可能で、後の工程への不良品の流出、不良発生を抑制することができる。
(9)SET(26-34)
フランスSET社の装置については、±1um 3σのポストボンディング精度(実装後の搭載精度)で、スループットが1000UPH対応可能な量産用フリップチップボンダ「NEO HB」、ポストボンド精度(実装後の精度)±0.5μmを実現した高精度フリップチップボンダ「FC300」が、代理店である丸文のブースで紹介される。
(10)神港精機(2-34)
炉関連では、神港精機のパワー半導体向けリフロー装置が注目される。同装置はウェーハ上のはんだバンプ形成プロセスにおいて、水素プラズマ中で発生した水素ラジカルをウェハ表面に導くことによりフラックスレスではんだ層の酸化膜を除去する。はんだバンプを減圧中で溶融させるため、真空脱泡効果によりボイドレスを実現している。
材料企業
(1)NSC(20-42)
5G向け材料の分野では、NSCがガラス基板(インターポーザ、パッケージ基板)へのTSV加工(貫通、側壁への銅めっき成膜、埋め込みなど)サービス、貫通孔付ガラス基板の展示を行う。ガラスサイズは50mm×50mm~400mm×500mmに対応している。
(2)レゾナック(24-38)
レゾナック(旧昭和電工/昭和電工マテリアルズ)は、先端パッケージ向けの感光性材料、基板材料、ダイアタッチ材料、封止材料、さらにSiC基板などを展示。加えて、パワーモジュールインテグレーションセンタ、Joint2の紹介を行う。
加工サービス
ウェーハ加工、基板加工など加工サービス企業の出展も増加している。半導体ウェーハ加工企業としては、九州セミコンダクターKAW、イングスシナノ、アズビル太信などが注目される。
(1)九州セミコンダクタKAW(10-26)
九州セミコンダクターKAWは少量試作・開発・量産まで対応し、成膜加工(CVD、スパッタリング)・パターニング加工(フォトリソ、エッチング)に関する受託加工サービスを提供するほか、半導体デバイスの受託生産にも対応している。大分県LSIクラスター形成推進会議ブース内に出展している。
(2)イングスシナノ(25-15)
同社はワイヤーボンディング、ACF(異方性導電性フィルム)、フリップチチップボンディング(FCB)等のベアチップ実装、SMTについて、基板設計、部材調達、実装、組立、品質評価/保証、梱包/出荷などのサービスを提供する。サービスの概要を紹介する。
(3)アズビル太信
同社はEMSメーカとしての業務を中心にアピールする。
特定のプロセス処理に特化して事業を行っている企業も出展している。
(4)新菱(20-15)
新菱はめっき加工サービスを提供している。融点300~600℃の様々なハンダめっきをラインナップ、多様な基板へのめっき加工に対応している。コアボール、粉体などの微小部品へのめっき加工も行っている。
(5)内藤電誠工業(3-32)
内藤電誠工業はIC生産ターンキーソリューション、半導体パッケージングサービスなどを紹介する。同社のIC生産サービスは大手半導体メーカが対応しない少量生産のカスタムIC開発などを対象に設計から生産まで対応する。パッケージグサービスは試作、少量品から量産品まで、車載品にも対応した国内自社工場で処理できる体制を整備している。
関連特集
関連カテゴリー
「ネプコンジャパン2023プレビュー:微細化対応進む基板関連技術に注目」に関連する特集が存在しません。
「ネプコンジャパン2023プレビュー:微細化対応進む基板関連技術に注目」に関連するカテゴリーが存在しません。