先端パッケージング材料
掲載日 2021/01/21
小型、低消費電力化が求めれられるスマートフォンや高速、高性能化が必要とされるHPC(High Performance Computing)分野では、ウェーハプロセスの微細化だけでは要求される性能、機能を達成することが難しくなっている。このため、新しい先端パッケージン技術の導入が進められている。新技術では、新材料の導入も図られている
先端パッケージング技術と使用される材料の動向をまとめていく。
スマートフォンを中心に普及が進むFOWLP/FOPLP
スマートフォンなどのモバイル情報機器では、徹底した小型化、省電力化が求められており、その要求にこたえるために先端パッケージ技術の採用が求められている。小型パッケージとしては、WLP(Wafer Level Package)が使用されていた。WLPではI/Oパッドから外部端子となるBGAに向けて内側に配線するファンイン配線構造を採っていた。しかし、プロセスの微細化によりダイサイズの縮小に伴い、WLPのBGAピッチも狭まることが求められるが、実装面からBGAピッチは下限が定められている。このため、ダイのI/OパッドからBGAまでダイの外側に向けて配線するファンアウト(FO)構造を採用する必要が出てきた。これにより、スマートフォンを中心にFO構造のWLP(FOWLP)の需要が拡大している。
FOWLPは、ダイをSiウェーハなどの基板上に再配置し、再配線層(RDL)を形成、樹脂封止を行った後に個別のチップに切り分けていく。
このFOWLPにおいて重要な材料として、RDL層を形成するポリイミド樹脂、配線を構成する金属箔、パッケージ封止用の樹脂材料などがある。
RDL層はパッケージ全体の厚さを抑えるために薄型化に対応できると同時に、熱などによる反り、変形を抑えることのできる材料が求められている。同分野でポリイミド膜が絶縁膜として使用されているが、製品としては昭和電工マテリアルズ(旧:日立化成)のものが大きなシェアを占めている。
樹脂封止では、エポキシ系樹脂によるコンプレッションモールドが採用されており、樹脂材料は粒状、液状のものが使用されている。e-WLB、inFoなどでは液状樹脂が使用されていたが、顆粒状の製品に関しても開発が進んでいる。エポキシ樹脂材料メーカではナガセケムテックスが「T693/R4000 series」などで大きなシェアを占めている。
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