日本がリーディングボードを握る半導体レジスト材料市場

半導体関連産業の中でレジスト材料市場が最も日本がリーディングボードを握っている。露光用レジストは光源ごとに用いられるレジストが異なっているが、g線からEUVまでどの光源においても日本企業がトップシェアであり、最先端のEUV露光用レジストでは、日本企業がシェアを独占している。今回の特集では露光用レジストの光源別の動向を報告する。

後工程市場ニーズに対応し拡大するg・i線露光用レジスト市場

g線露光装置は波長436nmの水銀ランプを光源としている。対応可能なL&S(ラインアンドスペース)幅は0.8〜1μmになっており、露光装置の中では最も波長が長い。g線で対応できない0.25~0.8um(L&S)には波長365nmのi線露光装置が採用されている。最先端ラインで製造されたチップにおいても上層部のグローバル配線幅は大きくi線露光装置が使用されている。また、現在では後工程におけるチップの集積化(チップレット)が進んでいることから、チップ同士を接続するインターポーザの配線形成のためにもi線露光が用いられている。それらの新しい利用用途から、市場は年々拡大傾向にある。2023年のg・i線レジスト市場は419億7,200万円となった。企業別では、東京応化工業が28.2%で首位に立ち、以下米Dupont社が17.2%、JSRが16.6%と続いている。フォトレジストは日本企業が寡占しているイメージが強いが、g・i線レジスト市場では米Dupontの他にも韓国のDongjin Semichem社や中国のCrystal Clear Electronic MaterialやSinyang Semiconductor Materials社が一定のシェアを有する。

図1 2023年g・i線露光用レジスト市場の企業別シェア(出所:2024世界半導体製造材料市場年鑑 グローバルネット)

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