国産化に向けて飛躍する中国半導体製造装置市場の動向
掲載日 2024/06/10
2023年の世界半導体製造装置市場は中国の米国の規制前の先端半導体生産用装置購入に拍車がかかり23年世界半導体製造装置市場の減少を緩和させた。その一方で中国政府は半導体産業のための新たな投資ファンドである「国家集成電路産業投資基金三期」を3,440億元(約7兆4,000億円)に上る過去2回を上回る資本金で設立するなど、自国内の半導体サプライチェーンを強化する取り組みを積極的に続けている。このような積極的な取り組みもあり、中国の半導体製造装置メーカも、世界の先端レベルに追いつきつつある。今回は中国の前工程向け半導体製造装置メーカの最新動向について追っていく。
中国の前工程製造装置市場
次の表は現在上場している中国の前工程向け半導体製造装置メーカの年別半導体製造装置売上推移である。
図1.中国の上場している前工程向け製造装置メーカの年別売上合計値
2019年同売上高が1,752億2,300万円に対して、2023年同売上高は1兆1,580億8,100万円と、5年で約10倍に拡大している。その間のCAGRは60.3%に上った。中でも成長著しいのはNAURA(北方科創)である。同社の2023年売上高は3,941億8,100万円と、同市場の1/3を占めている。
中国の半導体製造装置種類別企業動向
中国のウエハ製造装置企業と売上高
JSG(晶盛机電)は中国の結晶引き上げ炉市場においてトップシェアを有する。TCL中環をはじめとする中国の大手シリコンウエハメーカは全て晶盛机電の顧客となっている。 LINTON(連城数控)は単結晶炉、切断装置、研磨装置、洗浄装置といったウエハ製造に必要な装置を生産、インテリジェント生産ラインの研究開発も行っており、2019年には初のSiウエハ工場用自動化生産ラインを開発し、顧客に納入している。 近年ではSiC向けの結晶成長装置の開発を急いでおり、すでに検証を終えて量産段階に入っていると見られる。
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