第五回 半導体初心者の素朴な疑問 〜クリーンルームはどれくらいきれいなのか〜

掲載日 2025/09/29

半導体製造の現場において、クリーンルームは不可欠な存在である。しかし、「クリーンルーム」と聞いても、どれほどクリーンなのか想像しにくい。本記事では、クリーンルームの必要性や「きれいさ」の基準、そしてどのようにしてその「きれいさ」が維持されているのかを解説する。


1. 半導体産業になぜそこまでの清潔さが必要なのか?

まず、半導体を製造においては、ナノレベルでの加工が必要となる。このような環境では、空気中のごくわずかな粉塵や化学物質、微生物であっても、チップ上に落ちることで回路の短絡や不具合を引き起こす可能性がある。作業環境が製品の品質劣化や不良率の増加に直結するため、クリーンルームが必要不可欠となってくる。

クリーンルームとは、コンタミネーションコントロールが徹底された超清浄空間で、空気中の浮遊微小粒子、浮遊微生物、化学物質の濃度が一定基準以下に管理されている。[1]


図1.クリーンルーム概念図(図解半導体用語集第7版 グローバルネット株式会社)[1]

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