2024年 半導体製造装置部品の市場展望

先日、大手投資銀行であるゴールドマン・サックスが、日本の株式市場を代表する株式会社7企業を選定した。7企業のうち、4企業が半導体製造装置メーカーとなっており、世界でも高いシェアを握る日本の半導体製造装置メーカーが依然高い注目を浴びていることを反映する結果となった。

その半導体製造装置には、精密な加工を実現するために、多くの専用部品が使用されているが、これらは基本内製ではなく、サプライヤーが製造装置メーカーへ供給を行っている。また、一部の半導体製造装置部品は装置の性能に直接的な影響を及ぼすことから、経産省が対中国向けに実施した輸出規制においては、静電チャックや電源、ガス切り替え弁など、部品のスペックに言及したものも確認された。

グローバルネット株式会社では、市場が拡大し、重要性が高まる半導体製造装置部品市場の動向を記した「世界半導体製造装置部品市場年鑑2024」を2024年3月に発刊する。今回の特集ではこの書籍をベースに半導体製造装置のスペックを支える半導体製造装置部品市場の動向と、主要な部品の概況について特集する。


世界の半導体製造装置部品市場

2023年の世界の半導体製造装置部品市場は前年比3.7%減の2兆3,067億5,600万円となった。基本的に半導体製造装置部品は半導体製造装置の市場動向に左右される。(図1)

図1 .半導体製造装置市場と半導体製造装置部品市場の相関


地域別で見ていくと、半導体製造装置部品市場は製造装置メーカが多い日本、米国野シェアが拮抗している。それに次ぐのは露光装置で圧倒的なシェアを誇るASMLが存在する欧州である。また、近年では韓国が装置自給率を高める活動を行う、中国に対する製造装置の規制が厳しくなり、中国も自前で製造装置を生産する流れが拡大していることから、この2地域の市場も拡大傾向にある。(図2)

図2. 半導体製造装置部品の国別シェア

一方で2024年は半導体市況の回復に伴って、半導体製造装置市場も回復が見込まれることから、半導体製造装置部品市場も前年比20.0%増の2兆7,677億600万円と予測した。次以降では、主要な半導体製造装置部品の市場動向を紹介していく。

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