シリコンウエーハの2024年上半期の動向と下半期の展望

掲載日 2024/07/04

2024年シリコンウエーハ市場は下期に期待

2023年は半導体産業にとって、2022年から始まった生産調整の影響によって市場が縮小した1年であった。特にスマートフォンやPC向けの半導体の在庫が積み上がったことが原因となる。AIアクセラレータをはじめとしたAI半導体が2024年も爆発的に普及すると見込まれるが、その一方で、車載半導体や産業向け半導体では、2023年の成長の勢いを失っており、関連メーカの業績は芳しくない。今回の特集では半導体の基幹材料であるシリコンウエーハ市場がマーケットの影響をどのように受けているか、現状を分析した。 シリコンウエーハは、2023年に半導体メーカが生産数量を減少させたものの、供給契約に基づいて購買を継続したことによって、在庫が溜まっている状態と推測される。2024年1~3月期の大手ウエーハメーカの業績は、どの企業も半導体デバイスほど順調に回復していないことがわかる。


表1 Siウエーハメーカの2024年1〜3月期業績比較

Siウエーハメーカ別企業動向

信越化学工業

300mmウエーハ市場はメモリ向けが6割弱、ロジック向けが4割強と同社は推定している。メモリ向けは2022年下半期から在庫調整が始まったことや、AI需要に牽引されることによって、回復は早いと期待している。ロジックも(AI需要が牽引し)先端品は回復傾向にあるが、汎用品はまだ回復には時間がかかると見ている。300mm全体では4~6月期から年末にかけて需要が回復していくと考えており、次四半期の業績に期待がかかる。一方、200mm以下のウエーハ需要は厳しい状況が続いており、300mmの回復から1四半期遅れて回復に向かうと展望する。

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