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半導体用語集

DVD-ROM、DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM

英語表記：DVD-Read Only Memory, DVD-Recordable, DVD-Re Writable, DVD-Random Access memory

　DVD-ROMは、あらかじめ情報を書き込んだ光ディスク媒体から、レーザ光（CDと異なり650nmの波長を使用）を利用しで情報を読み取る再生専用の記憶装置である。この装置は記録密度がCD-ROMにくらべて大幅に高く、その記録容量も巨大な（4.7～17GB）うえ、記録媒体である光ディスクがCD-ROM同様交換が可能な点が特徴である。さらに、このDVD-ROM用光ディスクは、CDの場合と同じような工程（0.6mm厚のディスクを張り合わす工程が追加されている点が大きく異なる）でプレス製造でき、大量生産が容易で価格が安いうえ、CD-ROMよりも大容量の情報の持ち運びが自由にできるという利点から、大容量の情報を大量に配付する用途に適している。また、DVDファミリー内での互換性も高いため、民生用のDVD-Video（DVDプレーヤ）用のディスクもそのまま、DVD-ROMで読み出すことも可能となっている。
　このDVD-ROM規格は、DVD-Video規格を企画する際、CDの時の経験からあらかじめCD-ROM同様PCへの展開を考慮し、DVDファミリー内での規格の互換性を維持しつつ提案された。このため、DVD-ROMとDVD-Videoのディスクの読み取りから、データを取り出すまでの信号処理は同じで、CD-ROMのように信頼性を上げるために追加された処理はDVD-ROMにはなく、CD以上のデータの信頼性があらかじめ保証できるよう考えられている。この結果、DVD-Video用のディスクとDVD-ROM用のディスクでは記録可能な容量はまったく同じである。
　この光ディスクの基本的な構造は、0.6mmの厚さの基板を張り合わせた構造を基本としており、その張り合わせ面に記録層がある。さらに、この記録層は多層構造が可能となっており、最大4層の記録層を持つことが可能である。これらDVD用のディスクの構造には、以下の4種類が存在する。
(1)片面1層：記録容量は4.7GB
　片面読み取り記録層は1層
(2)片面2層：記録容量は8.5GB
　片面読み取り記録層は2層
(3)両面1層：記録容量は9.4GB
　両面読み取り記録層は片面各1層ずつで、合計2層
(4)両面2層：記録容量は17GB
　両面読み取り、記録層は片面各2層ずつで、合計4層

　また、DVD-ROMの形状にはCDなど同様に、直径12cm（片面1層で4.7GB）と、直径8cm（片面1層で1.5GB）の2種類がある。
　さらにDVDのファミリーには、CDと同様、その機能から“再生専用型”の“DVD-ROM”と、“記録可能型”である“追記型”の“DVD-R"と“書き換え可能型”の“DVD-RAM”の合計3種類に分類される。概要は、CDと同様以下のようになっている。
(1)再生専用型（DVD-ROM、DVD-­Video）：ディスクの記録層（アルミ層）のくぼみがあらかじめ書き込まれている。これにレーザ光をあて、反射してきた光の変化を読み取り、情報に変換する。
(2)追記型（DVD-R）：ディスクの記録層にレーザの熱で孔をあけで情報を記録する。再生時にはこの孔で反射したレーザ光の変化を読み取り、情報に変換する。ただし、上書きすることはできないため、情報の消去・書き換えは基本的にできない。
(3)書き換え可能型（DVD-RW、DVD-RAM）：ディスクの記録層をレーザの熱により結晶状態から非結晶状態へ、またその逆へと相変化を生じることで情報を記録する。再生時には記録層の結晶部と非結晶部の反射率が違いを利用し、反射したレーザ光の変化を読み取り、情報に変換する。基本的に、情報の書き込み、消去をし、同じ領域に新たな情報を書き込め、繰り返して使用可能である。
　DVD-RWはDVD-Rをベースに書き換え可能型に発展させたもので、当初は再生専用ディスクを作るための編集用として開発された。これに対し、DVD-RAMは当初からPC用の書き換え可能型を目的として開発された。これらの結果、DVD-RWは書き換えの保証回数が1,000回程度と少なく、PC用として情報の書き換え回数10万回を保証しているDVD-RAMとは、大きく異なる。
　これらを定義する規格書は、“DVD Book”と呼ばれ、DVD-ROM用、DVD-R用、DVD-RAM用などに分轄されている。また、DVD-Videoの規格はDVD-ROM規格でディスクの情報の読み方を定義し、Videoで必要な映像・音声に関する処理情報を定義している。

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