SEMICON Japan 2021 Hybrid/2年ぶりのリアル開催に注目集まる

掲載日 2021/12/09

 セミコンジャパン2021が東京ビッグサイトで、2021年12月15日(水)~17日(金)の3日間にわたって開かれる。COVID19感染広がりの影響から2020年のセミコンジャパンはバーチャル(オンライン)のみでの開催になっており、会場でのリアル展示は2年ぶりとなる。なお、展示と並行して行われる各種のセミナーは、会場とオンラインで受講が可能なハイブリッド開催となる。

 出展社数、登録者数は現時点(2021年12月10日)では明らかにされていないが、出展社数は2年前のセミコンジャパンは下回り、会場も東館Hall 1-5に収まっている。ただ、SEMIでは「コロナ禍が完全に終息していない状況を考えると、(出展社数は)予想以上」としている。半導体製造装置市場の好調さを反映しているといえるだろう。

 今回は、コロナ禍での開催を反映して、新型コロナウイルス対策パビリオンが設けられている。出展社数は9社。ウィルス対策の殺菌システムや各種のセンサ、検査装置などがパネル展示される見込みである。なお、同パビリオンへの出展費はすべて医療関連団体に寄付される。
 同パビリオンの出展企業の一つにアペックスがある。同社では、UVライトとオゾンガスを組み合わせることで、密閉空間の隅々まで殺菌することを可能にする「EDEN」という独自開発の装置を紹介する。
 このほかにも、SEMI Future Visionという企画で、“空飛ぶタクシー”の実車が展示される予定で、多くの来場者の注目を集めることになりそうだ。(関連フォーラム:https://semi-reg.smktg.jp/public/session/view/2383?lang=ja

会場・ブースはコンパクトに

 代表的な企業の出展状況を見ていく。

東京エレクトロン
 東京エレクトロンは、第8世代FPD向けエッチング装置「PICP Pro」(2021年12月発表)、ウェーハプローバ「Prexa」の新製品(2021年8月発表)を含めて、エッチング装置、成膜装置、試験・検査装置など多彩な製品ラインナップを紹介していく。

SCREENセミコンダクターソリューションズ
 ウェーハ洗浄装置、コータ・デベロッパ、熱処理装置、外観検査装置をはじめ、IoT/AI/自動運転時代の各種デバイス製造に向けた多彩なラインナップを展示する。
 出展の柱となるのは、最大24チャンバの圧倒的な生産性と、最高水準の技術を集結した「枚葉式洗浄装置 SU-3300」 、16チャンバ搭載、最大毎時1,000枚のハイスループットを実現 「スピンスクラバ SS-3300S」 、“ブラシ洗浄”と“薬液によるエッチング&洗浄機能”を併せ持つハイブリットタイプ「ウェーハ裏面洗浄装置 SB-3300」 、多様な機能と拡張性を持つ200mmウェーハ対応「スピンプロセッサ SP-2100」などの洗浄装置が中心。
 この他にも毎時450枚以上のハイスループットを実現する 「コータ・デベロッパ DT-3000」、最先端デバイスの特性改善に大きく貢献「フラッシュランプアニール装置 LA-3100」、通信用デバイスなどの面内多点測定に最適な膜厚測定装置「光干渉式膜厚測定装置VM-3500」なども紹介する。

アルバック
 アルバックは「真空の総合利用で持続可能な社会に貢献」をテーマに、プロセス機器とコンポーネントを展開する。今回はコンポ―ネント、材料、サービスなどアルバックグループ全体を紹介する統合ブースとなる。
 展示装置としては、スパッタリング装置ENTORONシリーズが中心となる。また、Smart ICTへの取り組みとして、電子部品製造向け枚葉式複合モジュール型成膜加工装置「uGmniシリーズ」の新エッチングモジュール、新製品である5Gデバイス向けのサブナノメートル平坦化用イオンミリング装置「IM-2000」を紹介する。

Kokusai Electric
 300mmウェーハ対応の縦型熱処理炉/減圧CVD装置「AdvancedAceシリーズ」、高品質成膜装置「TSURUGI-C2」、枚葉プラズマ窒化・酸化装置「MARORA」など、従来製品を中心に紹介する。また、200mmウェーハ対応装置「VERTEX」シリーズの新設計版「VERTEXⅢ」も展示する。(小間番号4149)

日立ハイテク
 日立ハイテクは、エッチング装置ウェーハ表面検査装置測長装置(SEM)、半導体解析技術を紹介する。さらにこれらの技術を繋ぎ合わせて製造品質、歩留り向上を実現する「データ統合ソリューション」の例として、日立ハイテクソリューションズが開発した製造条件最適化Informaticsをアピールする。
 Informaticsでは、AIモデラーと連携して、数千通りの製造条件を算出し、それをAIモデラーで作成した品質予測モデルに当てることで、わずか1分足らずで、高品質を見込める製造条件をその可能性の高い順に順位付けして表示、ベストな製造条件を判断する。これにより高い精度で絞り込まれた製造条件だけの試作で済ますことができるようになり、大幅な原材料の削減、人件費等の低減も期待できる。(小間番号5149)

ニューフレアテクノロジーズ
 同社は「半導体向けフォトマスクの最先端技術と高品質・高速厚膜エピタキシャル成長」をテーマに、3nmレベルのEUVマスク製造向けの最先端マルチ電子ビームマスク描画装置「MBM-2000」、高生産性と高性能を両立させた最先端マスク検査装置「NPI-8000」、SiCエピタキシャル成長装置「EPIREVO S6」の紹介を行う。(小間番号4135)

荏原製作所
 同社の展示では、12月8日に発表された新CMP装置「F-REX300XA型」が注目される。同製品は、新開発の高効率搬送機構とWPH最適化アルゴリズムを搭載することで生産性を大幅に向上させた。一方消費電力は現行機種から10%削減している。フレキシブルな搬送機構、研磨構造の改善、新しいクロスコンタミ対策の導入などにより歩留りを改善を実現している。
 このほかにも中負荷向けドライ真空ポンプ「EX-V型」、高コスト効率処理を実現する湿式排ガス処理装置「G-WS型」、小型精密チラー「RJ-SA型」などの新製品を紹介する。(小間番号4349)

ディスコ
 ブース規模は場内最大となる見込み。例年通りダイシング装置、スライシング装置などの実機展示を予定している。パワーデバイス用基板として注目されるSiCウェーハの高効率切り出し技術ある「KABRA」プロセスの紹介を行う。同プロセスは、SiCインゴットにレーザを連続的に照射することで、分離層(KABRA層)を任意の深さに形成し、このKABRA 層を起点に剥離・ウェーハ化するというもの。(小間番号1338)

アドバンテスト
 新製品を中心に展示を行う。対象製品は、(1)高速メモリ・テスト・システム「T5835」、(2)NANDフラッシュおよび不揮発性メモリのウェーハ・テスト用システム「T5221」、(3)ソフトウェアベースのファンクション・テストおよびSCANテストを可能にするテスト・システムV93000向けデジタル・カード「Link Scale」、(4)T2000 ISSソリューション向け高速・高解像度の画像処理エンジン「IP Engine 4」、(5)高度なテスト・データ解析機能と機械学習機能を備えた先進的クラウド・サービス「Advantest Cloud Solutions」。
 このほかにもSSDテストシステム、メモリバーンインテスタ、自動化ツール、中古機を利用したファイナンスサービスなどを紹介する。なお、 ファイナンスサービスの担当子会社の社名を、 2022年1月1日付けで、 株式会社アドバンテストファイナンスから株式会社アドバンテスト プリオウンド ソリューションズに変更する。(小間番号2347)

ローツェ
 ウェーハハンドリングロボット、EFEM、ソータなどが中心だが、通常の半導体前工程用だけでなく、中工程と呼ばれるファンアウト工程にも対応可能なPLPパネル搬送ロボット「RR759」のパネル展示を行う。同製品は、ロングリーチのウェーハ搬送ロボットをベースに小フットプリントでコンパクトなパネルのクリーン搬送を実現している。
 また、ウェハスクラッチ等の問題を防ぐ予測検知及び衝突等の異常検知目的に使用可能な距離センサ、加速度センサについても使用例を展示、アピールを行う。
 このほか、同社独自のN2マイクロエンバイロンメントタイプのN2ソリューションやN2シャッタドア、N2アンブレラタイプロボットエンドエフェクター(第2世代)によるソリューションなどを表示する。 (小間番号5411)

東レエンジニアリング
 現在注目を集めているマイクロLED製造のトータルソリューションを紹介する。具体的には、(1)外観検査装置TASMIT社製品):蛍光技術によるマイクロLEDチップの全数検査の実現、(2)レーザトリミング装置:不良チップ除去、良品チップ転写、配線カットを一台で実現、(3)フリップチップボンダ(マストランスファー):チップをディスプレイ基板へ高速、高精度搭載を実現、(4)レーザマストランスファー:超高速転写、良品チップ選別、映像ムラ低減を実現する、などの紹介を行う。(小間番号4823)

アペックス
 アペックスでは前述の「EDEN」のほか、自社ブース(小間番号4235)で、CN1社のALD装置、CANTOPS社のE84 Sensor(半導体物流工程のうち、AGV/OHTと設備間制御信号の通信を目的に使用されるセンサ)などのパネル展示を行う。

ベクトル・ジャパン
 今回が初出展となる。同社はシリコンウェーハの商社。国内メーカーのコインロールウェーハ、リクレームウェーハ、テストウェーハを扱っている。コインロールウェーハについては、自社工場でカスタマの要望に合わせ、スペックごとに仕分けしている。(小間番号2237)

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