半導体用語集
分子流(クヌーセン流)
英語表記:molecular flow (Knudsen flow)
容器(流管)の気体の圧力を下げていくと、分子間の衝突にくらべて分子と容器壁(管壁)との間の衝突が多くなる。容器の大きさ(管径)Dと気体分子の平均自由行程をλとの間に、
D≪λ
を満足するまで真空度を上げた時、気体の流れを分子流またはクヌーセン流という。MBE成長装置の中の原料噴出セル(effusion cell)の設計には、分子流の考え方が重要になる。
MBEセルから噴出軸に対して角度φで噴出されるビームが、距離 d(cm)におかれた試料表面でとるビームフラックスJ (φ)は、
J(φ)=1.11×10²³{(AP/d²(MT)^1/2 }cosφ(moleculescm⁻²s⁻¹)
で与えられる。ここで、A(cm⁻²)はセル噴出口の面積であり、P(Torr)はセル温度T(K)における原料の平衡蒸気圧、Mは原料分子の分子量である。
現実のMBE装置に用いられるセルは、クヌーセンセルもしくはK-セルと呼ばれているが、特別な目的のドーピングセルを除き、ほとんどの場合、真の意味のクヌーセンセルとはいえない。本来のクヌーセンセルは、噴出口の径は十分小さくして、るつぼ内部の圧力を高く維持することが重要である。しかし通常MBEで用いるセルでこの条件を満足させることは、噴出する原料フラックスを低下させ、実用的な成長速度、大面積成長、面内均一度をえることが困難になるという理由から通常不可能である。
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