半導体用語集
ハイドライドVPE
英語表記:hydride VPE
気相成長法の一つで、原料ガスに水素化物(ハイドライド)を用いる気相エピタキシー(VPE: Vapor Phase Epitaxy)である。GaAsなどのⅢ-Ⅴ族結晶の成長によく用いられている。
GaAsのハイドライドVPEを例に述べる。GaAsの塩化物気相成長法では、Ga原料としてGaClを用いるが、ハイドライドVPEでは、GaClを反応管上流部に設置した金属Ga(通常石英ボートと呼ばれる石英製容器に入れられている)と塩化水素の反応によって発生させる。一方、ヒ素原料としてハイドライドガスAsH₃を用い、これを反応管の中で熱分解して基板結晶に供給する。この時の反応は以下のように表わされる。
Ga(l)+ HCl(g)→GaCl(g)+ 1/2 H₂(g)
AsH₃(g)→ 1/4 As₄+ 3/2 H₂
この方法では、原料GaなどⅢ族原料金属へのヒ素など、Ⅴ族原料を飽和させる必要はない。
ハイドライドVPEの特徴は、クロライドVPEと異なり気相におけるGaモル濃度と、Asモル濃度を反応管に輸送するHCl流量(濃度)と AsH₃流量(濃度)を変えることにより、任意に制御することができる点である。クロライドVPEの場合にはAsCl₃とGaとの反応により、GaClを発生させるためにGa、Asモル濃度を独立に制御することは原理上不可能である。この長所は、成長結晶がGaAsP、InGaAsPというように多元混晶の場合、組成の制御に威力を発揮する。
関連製品
「ハイドライドVPE」に関連する製品が存在しません。キーワード検索
フリーワードやカテゴリーを指定して検索できます
関連用語
関連特集
「ハイドライドVPE」に関連する用語が存在しません。
「ハイドライドVPE」に関連する特集が存在しません。
会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。