半導体用語集
レーザの雑音
英語表記:laser noise
レーザの出力光は様々な要因でゆらいでおり、これがレーザの雑音と呼ばれている。レーザの雑音で本質的なものとして、自然放出光による雑音がある。これは自然放出光がレーザの光増幅作用によって増大されたものであり、量子雑音とも呼ばれる。この自然放出光による雑音は、光出力の強度ゆらぎ(強度雑音)として現われ、相対雑音強度(RIN: Relative Intensity Noise)として定量化されている。また自然放出光は、出力光の周波数や位相のゆらぎ(周波数雑音、位相雑音)をもたらし、スペクトル線幅の増大を招く。自然放出光による雑音はしきい値付近で最大となり、出力の増加とともに減少する。またその周波数特性は、緩和振動周波数にピークを持つ。このようなレーザに本質的な自然放出光による雑音以外にも、レーザには様々な要因によって雑音が発生し、これらを過剰雑音(excess noise)と呼んでいる。たとえば、多モード発振しているレーザでは、各発振モード間の競合によりモード競合雑音が発生する。また、単ーモード発振しているレーザにおいても、何らかの要因で他のモードにジャンプする時には、低周波領域で非常に大きなモードホッピング雑音が発生する。これらの過剰雑音を誘発する要因としては、温度変化などによるレーザの動作条件の変化や、反射戻り光がある。たとえば、半導体レーザからの出力光の一部が、レンズや光ディスク表面などで反射してレーザに戻る場合、動作が不安定となり、モードホッピング雑音やモード競合雑音を誘発する。これは戻り光雑音と呼ばれる。これらの過剰雑音は応用上好ましくない場合が多く、それを防止するために光アイソレータを用いたり、半導体レーザに高周波重畳や自励発振を行わせることにより抑制することができる。この他にも、多モード発振しているレーザにおいて、一つのモードのみを取り出す場合には、全モード出力を取り出す場合よりも大きな雑音が発生し、これをモード分配雑音と呼んでいる。
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