半導体用語集

光磁気光学効果

英語表記:Magneto-optical effect

 物質に磁界を印加した時光学的性質が変化することをいう(磁気光学効果)。磁気光学効果として、ファラデー効果、コットン・ムートン効果、磁気カー効果などが知られている。この中で最も多く用いられるのは、ファラデー効果である。
 ファラデー効果は、印加磁界の方向に直線偏光の光波を伝搬させた時偏光面が回転する現象であり、非相反な性質を持つ。つまり、いったん偏光面の回転した光波を反射させると、さらに同じ方向に偏光面が回転する。この非相反性を利用して、たとえばレーザの戻り光をなくし、安定にレーザ発振させるために用いる光アイソレータのような非相反素子を作製することができる。長さlの物質を通過した時の偏光面回転角をθFとすると、常磁性体や反磁性体では、θFは外部印加磁界Hに比例し、θF=VHl(Vはベルデ定数)で表わされる。一方、強磁性体の場合の回転角は、θF=F(M/Ms)lで与えられる。Mは磁化の大きさ、Msは飽和磁化、Fはファラデー回転係数である。
 コットン・ムートン効果は、磁化ベクトルMと直交する光を磁性体中に入射した時、Mの2乗に比例した複屈折がみられる現象であるが、二次的な効果であるため、利用された例は少ない。
 また、磁化された磁性体の表面に直線偏光の光が入射すると、その反射光は楕円偏光となる。この楕円の長軸は基の入射光の偏波面に対して回転するが、この偏波面の回転は磁化の大きさMに比例する。この現象を磁気カー効果という。
 磁気光学効果の非相反性を利用したアイソレータやサーキュレータなどのデバイスは、バルク型の他に導波型のものがある。導波型磁気光学デバイス材料としては、YIGの薄膜導波路があげられる。薄膜中におけるファラデー効果による偏波面の回転には、必ずTE-TM変換が伴うため、TE-TMモード変換器が形成される。

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