半導体用語集
半導体パッケージのシミュレーション
英語表記:simulation of semiconductor package
半導体パッケージの構造,特性などを数値解析から評価すること。
シミュレーションは,実際に試作,評価するよりも少ない時間,コスト,で設計できるうえ,仮想的な部材を仮定して最適設計できるため,広く活用されている。製品に不良が発生した場合の,メカニズム追求の手段としても使われる。
シミュレーションが行われる主な分野には,応力,変形,水分の吸排湿.熱特性,樹脂流動,電気的特性がある。応力,変形の分野では,パッケージそりの低減対策などのパッケージ構造の最適化に用いられ,フックの式に基づいて数値解析が行われる。さらに,クラック対策などは,破壊力学から導かれる破壊判定基準を求める。ほとんどの場合,静的な状態を扱うが,搬送系での衝撃解析など,動的な解析の需要も増えている。水分の吸排湿は,拡散方程式に基づいて数値解析が行われる。熱特性も同様の原理であり,半導体パッケージの熱抵抗を予測するための熱解析を行う。樹脂流動は,プラスチックパッケージの成形,フリップチップ接続後のチップと基板間の樹脂充填を対象に数値解析が行われる。流動の状況は,硬化反応に伴った粘度変化により変わるため,カスタマイズされたソフトウェアを用いてシミュレーションを行うことが多い。電気的特性は,パッケージのインダクタンス,容量,抵抗(LCR)などの電気パラメータを求める場合と,電気パラメータを用いたノイズ,遅延などの回路解析に分かれる。
シミュレーションは,解析対象の構造や境界条件が複雑なため,現象を支配する方程式の解析解を直接求められる事例は少ない。よって,シミュレーションには,有限要素法(FEM:Finite Element Method)が多く用いられる。有限要素法は,解析対象を有限個の要素に分割し,要素の集合体に対して成立する方程式を解く。有限要素法は,応力,変形などの構造解析の手段として用いられることが多いが,熱伝導,吸排湿などの拡散解析,流体解析,電磁気解析などにも適用される。解析対象の形状が複雑になるにつれ,モデル作成,シミュレーション結果の表示が困難になる。複雑な解析対象のために,支援ソフトウェアも多く市販されている。少数ではあるが解析対象が簡単な場合には,方程式の解析解が直接使用できる場合もある。具体的には,梁や板の曲げ,一次元の拡散方程式の解などである。
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