半導体用語集

表面光起電位(SPV)法

英語表記:Surface Photo Voltage method

 SPV法はSurface Photo Voltage法の略で、シリコンウェハや高濃度基板上のエピウェハについて、少数キャリアの拡散長を測定する手法として開発され、ASTMで標準化されている。結晶中に再結合中心があると、拡散長が影響を受ける。再結合中心としては重金属不純物や格子欠陥があるが、拡散長と重金属不純物濃度の相関を評価することで、重金属不純物濃度も間接的に測定できる。
 SPVの測定原理を述べる。透明電極のついたシリコンウェハに光を照射して誘起された少数キャリアは、バンドの曲がりでできた電界で表面に集められ、表面起電力が発生する。SPV法のポイントは波長の異なる光を照射することである。そのためハロゲンランプからの光をフィルタで選択し、800nmから1,000nm程度の光を用いる。表面起電力をロックインアンプで増幅し、高感度に測定する。
 拡散長は以下のようにして求める。まず各波長での表面起電力が一定になるように照射光強度を変えてやる。照射光の波長が異なると吸収係数が変わるので、吸収係数の逆数と照射光強度をプロットする。両者の間で直線関係がえられるが、この直線を外挿し、吸収係数の軸をよぎった値が拡散長である。これらの波長では侵入深さは20~200μmである。
 シリコン結晶中の格子間に存在するFeは少数キャリアの再結合中心として働き、拡散長を短くする。Bドープのp型ウェハでは室温でFeはFe-B対を形成し、拡散長は長くなる。200℃以上ではFe-B対は分解し、拡散長は短くなる。DLTSなどの別の測定法で求めたFe濃度の対数表示と、SPV法からえられた拡散長の2乗をプロットすると、直線関係がえられる。これは一種の校正曲線で、これからFe濃度が求まる。
 Crの場合にはFeと挙動が異なる。Crでは200℃から急冷すると、Cr-B対が熱的に解離し拡散長が増大する。これはCr-B対が格子間Crよりも再結合中心として働くからである。Cr濃度もFeと同様に校正曲線を作って求めることができる。
 SPVの利点は、(1)SiO₂膜を除去するためにHFに漬けるだけで、特別の試料準備がいらない、(2)測定時間は数分でよい、(3)5×5cm²以上の大面積が測定できる、(4)100~200μm深さの情報がえられる。 (5)FeやCrに対する検出感度は10⁸/cm³ときわめて優れている。SPV法は現場でも執処理炉の汚染管理や熱処理ウェハの評価など、有効に用いられている。

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