半導体用語集

面発光型垂直共振器レーザ

英語表記:Vertical Cavity Surface Emitting Laser : VCSEL

 半導体基板と垂直にレーザ共振器を構成し、光を基板表面から取り出す半導体レーザの一種である。レーザ共振器には基板の表裏面、半導体あるいは誘電体の多層反射鏡が用いられる。従来型のストライプ型半導体レーザにくらべて、同一基板上に二次元的に多数の素子を集積できることが大きな特徴となっている。また、その特徴的な構造から高性能な発光素子として、さらに光情報処理などの新しい機能素子への発展も期待されている。
 1979年に東京工業大学の伊賀教授らによって、低温で電流注入によるGalnAsP系面発光型垂直共振器レーザの発振が初めて実現された。その後、1988年にはGaAlAs系面発光型垂直共振器レーザが室温連続発振し、従来型のストライプレーザと同等な特性を十分に引き出せることが実証された。そこで、1990年代になり、世界各所でいろいろな構造の面発光型垂直共振器レーザが研究開発されるようになった。特にGalnAs系面発光型垂直共振器レーザの性能向上は著しく、1991年にµmオーダの微小円形活性層を用いることにより1mA程度の発振しきい値電流が、また1995年にはAlAsの選択酸化法により電流と光の閉じ込めを改善することによりマイクロアンペアの発振しきい値電流が達成されている。また、このように高性能が実証されたGalnAs系、GaAs系の面発光型垂直共振器レーザでは、実際に簡易光インターコネクト向けに商品化も行われている。

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