半導体用語集
アナログ方式
英語表記:AMPS: Advanced Mobile Phone Service
古くから使われているタクシー無線などのいわゆる業務用移動無線は、アンテナを高くするなど、できるだけ電波を遠くまで届かせることに主眼を置くいわゆる大ゾーン方式であった。セルラ一方式はこれに対して、一つの基地局がカバーするエリアをむしろ意図的に小さくして、サービスエリア内を複数の基地局でカバーするもので、基地局のカバーエリアをセルと呼ぶことからセルラ一方式と称されている。一定の距離だけ離れた基地局で同じ無線周波数を計画的に繰り返して使用できるため周波数利用効率が飛躍的に向上し、限られた周波数帯域でも多数のユーザーにサービスを提供することが可能となって今日の発展をみている。この反面、移動機が通話中にセルエリアの境界を越えて移動した場合にも無線チャネルを切り換えて通信を継続させるためのハンドオーバなど、非常に高度な制御が必要とされる。
セルラ一方式には、1979年に世界に先駆けてわが国で商用された後、1980年代初めにかけて各国で相次いで商用されたアナログ方式と、1990年代初めから商用されたデジタル方式に分類することができる。
AMPSは、1983年に米国でサービスを開始した代表的なアナログ方式である。変調方式は従来の移動無線と同じアナログのFM変調であり、音質を良くするため最大周波数偏移を12kHzと大きくし、無線チャネル間隔を30kHzと広めにしていることが特徴である。他のセルラ一方式と同様に当初は移動機の大きさの制約から車載の自動車電話から出発したが、LSI化を初めとする小型・軽量化の結果現在では携帯電話が主流となっている。送信電力は0.6W、1.6W、4Wの3タイプがあり携帯電話、自動車電話で使い分けている。周波数は900MHz帯で800チャネル余が使われている。5,000万以上のユーザー数を抱える米国携帯電話の中で現在でも大半がアナログのAMPS方式である。
なお、AMPS方式をベースに英国の周波数事情に合わせて改良したTACS(Total Access Communication System)が英国他で、TACSを日本向けにさらに改良したシステムがわが国のセルラーホングループ各社および日本移動通信によって使用されている。
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