半導体用語集
アンチダンピング規則
英語表記:anti-dumping rule
ダンピング課税の目的は、二つの市場間の価格差を埋め合わせることにある。GATT/WTOの新アンチダンピング協定をベースに、代表的なものとして米国のアンチダンピング法とECアンチダンピング規則が生まれている。これら二つは制度と実務においてかなり異なるものとなっている。アンチダンピング規則のもと、ダンピング防止税を課すためには、(1)自国(地域内)へのダンピング輸出の存在、(2)そのために発生した自国(地域内)産業の損害、(3)自国(地域内)の利益のために課税が必要であること、の大きく三要件が必要となる。しかしながらいずれにせよ、「二つの市場間の価格差を埋め合わせる」という大義名分の下、自国、あるいは地域の利益を不当な競争から守り、自国内産業を守るという目的があることから、しばしばそれは国連のめざす「相互的、互恵的な基礎において関税およびその他の貿易障壁を低減し、国際通商における差別待遇を除去する」という目的と相反する結果をもたらすような政治的な決着が図られることになる。半導体産業は、1970年代後半から日本企業が台頭、それまで圧倒的地位を誇っていた米国企業の座を脅かすようになった。この過程で日本企業による安売攻勢がしばしば日米通商摩擦に取り上げられた。1984~1985年にかけ半導体不況が深刻化した際、一部の米国メーカーおよび商務省自身が日本の行動がアンチダンピングに抵触するとして訴えた。米国政府が調査した結果、日本は生産コストを大幅に下回る価格で輸出、販売したとして、大幅なダンピング課税を課せられた。
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