半導体用語集

エミッタ注入効率

英語表記:emitter injection efficiency

 バイポーラトランジスタにおいて、全エミッタ電流Iᴇのうち、エミッタからベースに注入された少数キャリアによって担われる電流の割合。エミッタ電流Iᴇは、エミッタからベースに注入される少数キャリア(npn型トランジスタでは電子、pnp型トランジスタでは正孔)による電流成分と、ベースからエミッタに逆注入される多数キャリア(npn型トランジスタでは正孔、pnp型トランジスタでは電子)による電流成分の和からなる。このうち後者は、エミッタからベースに注入された少数キャリアの一部が、ベース層内において多数キャリアと再結合することによって生ずる電流成分とともにベース電流成分Iʙとなる。エミッタからベースに注入された少数キャリアの大部分は、ベース層内において多数キャリアと再結合することなくコレク夕層に到達し、コレクタ電流Iᴄとなる。エミッタからベースに注入された少数キャリア電流成分のうち、コレク夕層に到達した電流成分の割合をベース輸送効率という。したがって、バイポーラトランジスタの特性で重要なパラメータであるベース接地電流利得Iᴄ/Iᴇは、エミッタ注入効率とベース輸送効率の積で表わされることになる。エミッタ層の材料として禁制帯幅がベース層のそれより大きいものを用いたヘテロ接合バイポーラトランジスタでは、エミッタ・ベース接合部のエネルギー障壁によりベースからエミッタヘの多数キャリアの逆注入を抑制し、1に近いエミッタ注入効率を実現している。

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