半導体用語集

オリンピック景気

英語表記:Olympic prosperity

 歴史的にみてオリンピックの直前の年からオリンピックの開催まで電子機器の需要が盛り上がり、オリンピック終了後には減速する傾向がある。こうした景気の波ができる要因としては、オリンピックのような世界的なイベントに合わせて、各電子機器メーカーが大型家電製品を投入し、消費を喚起しようとするためと考えられる。半導体時代の前ではあるが、1964年の東京オリンピックでは、テレビカメラの開発が進んだ。すでに発売が開始されたカラーテレビの普及のきっかけとなったのもこの時である。
 1980年以降のオリンピックは、モスクワ、ロサンゼルス、ソウル、バルセロナ、アトランタと続き、それぞれの時期は、レーガン1期、レーガン2期、ブッシュ、クリントン1期、クリントン2期と米大統領選挙の年とも重なる。1980年代は半導体の好景気、いわゆるシリコンサイクルの山が、これらのオリンピックと重なり、オリンピックサイクルとか、大統領選サイクルと呼ばれた。たとえば、1984年のロサンゼルスオリンピックについていえば、1983年は米国でのPC市場が離陸した年であり、第二次VTRブームが起こった年であった。特にVTRの普及べースは速く、経済企画庁の消費動向調査によれば、日本のVTRの普及率は、1983年3月末に11.8%であったのが、1984年3月末には18.7%、1985年3月末には27.8%へと上昇した。電機業界は未曾有の好景気となり、多くのメーカーがピーク利益を更新したのもこの時期である。
 1990年代に入り、シリコンサイクルとオリンピックサイクルは必ずしも一致していないが、1996年のアトランタオリンピックに関しては、1995年に米国のマルチメディア市場が騒がれた年であった。カムコーダや大型TVなどの普及といった個人消費者向け電子機器に加えて、放送用設備などが高機能化した。
 このように電子機器市場が拡大すれば、当然、参入するメーカーも増え、増産傾向になるが、いったん、ブームが終了すれば、在庫だけでなく、過剰設備まで抱えてしまうことになる。電子機器メーカーは、半導体などの電子部品を在庫としていくらか持っているため、半導体メーカーヘの発注抑制の影響はさらに拡大して出てくる。

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