半導体用語集

コモディティとカスタム

英語表記:commodity and custom

 半導体のコモディティ化については、プラス面とマイナス面がある。ユーザーにとっては、コモディティ化された半導体製品は、使い勝手がよく、また複数社購買も容易になることから、プラスの側面が強い。しかし、供給側に立てば、行き過ぎたコモディティ化は、需要を上回る供給体制が簡単に構築されやすく、過当競争に突入しやすいというマイナスの側面が強調されてくる。つまり、コモディティ化とは、技術的な蓄積がない企業でも、製造装置を購入すれば、半導体(特に汎用DRAMで顕著)の生産ができてしまう状態のことを意味する。一方、不況になるとよく聞く言葉として、カスタム化がある。ユーザーの要求に合わせた半導体チップを少量生産することであるが、ある程度ユーザーの要求を共通化させ、大量生産に結びつかせるものとしてゲートアレーなどがある。収益の変動性は、大量生産が効くDRAMとは異なり、安定しているが、利益の額からはとても好況時のDRAMには追いつかない。また、設計から製造、販売までの期間(通常4~5年)や技術的な手間が多く、少量多品種のビジネスモデルを構築する難しさがある。事業規模や半導体のシーズなどからみて、どちらがいいかは一概に結論を導くことはできないが、最近の経営環境の変化(事業部ごとの分社化でより事業の採算性が求められることなど)や、国内やアジアの経済危機で、多額の設備投資を必要とする半導体産業は、大きく方向転換せざるをえないのは事実であり、好況の時こそ、カスタム品への対応を見直す必要があろう。

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