半導体用語集

ボルツマン方程式

英語表記:Boltzmann's equation

 電界や磁界などの外力が存在したり,電子密度や温度に勾配があるような,熱力学的に非平衡な状態にある電子の位置と運動量に関する分布関数の時間的変化を定めるために,Boltzmannが導いた方程式で,金属や半導体中の伝導現象の理論形式として広く用いられている。電子の位置をr=(x,y,z),波数をk=(kx,ky,kz),またその分布関数をf(r,k,t)とすると(tは時間),ボルツマン方程式は以下の式で与えられる(下記式参照)。

 ここで,Fは電子が電界や磁界により受ける力を,またvは電子の速度を表わす。第1項は電子密度や温度の勾配による拡散を,第2項は電界や磁界による電子のドリフトを,また第3項は不純物やフォノンとの衝突による分布関数の変化を表わし,量子力学的に計算される。


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