半導体用語集

ボーム条件

英語表記:Bohm's condition

プラズマが固体と接する時、その界面にイオンシースと呼ばれる正の空間電荷層が形成される。ボーム (Bohm)はイオンシースができるための条件を調べた結果、プラズマからイオンがシースに入る時の速度が、電子温度Te(eV単位)とイオン質量に対して、
us≥(Te/M)1≧2を満たすことを明らかにした。上の不等式をボーム条件といい、右辺の速度をボーム速度という。すなわち、シースの前面のプラズマ中にはイオンを加速するプレシース(pre-sheath)があって、その領域にかかる電位差(≥Te/2)により加速されてからシースに入ると正の空間電荷層、すなわちイオンシースが形成される。もしシース端のイオンの速度がポーム速度より遅い時は負の空間電荷層、すなわち電子シースが形成される。このポーム条件は、電子についてはポルツマンの関係を用い、イオンについては温度Ti=0の無衝突における運動方程式を用い、ボアソンの方程式の右辺の空間電荷密度をテーラー展開することによって求められる。


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