半導体用語集

メモリカード、メモリスティック

英語表記:flash card, compact flash, smart media, multimedia card, SSFDC(Solid State Floppy Disc Card))

 スマートカードには、一般に “CPU” を内蔵したインテリジェントスマートカードとメモリを内蔵したメモリカードの二つの種類があるが、ここでは後者のメモリカードに関して述べる(以下、メモリカードと称す)。
 メモリカードは内蔵された不揮発性メモリを利用して、情報を記録する記憶装置の一つである。このシステムは、内蔵された不揮発メモリに対し、情報を直接電気的にアクセスする。メカ系の制御がない分、他の記憶装置にくらべて、書き込み・読み出しの時間が比較的速いうえ、記録媒体の交換が可能な点が特徴である。また、形状が比較的小型で軽く、記憶容量が小さいものから大きなものまで種類も多い。主に携帯型PCやデジタルカメラなどの、可搬性が要求される機器の補助記憶装置として使われる。
 現在、このメモリカードとして代表的なものに、フラッシュカード、コンパクトフラッシュカード、スマートメディア、マルチメディアカード、メモリスティックがあり、これらは内蔵する不揮発性メモリとしてフラッシュメモリを搭載している。それぞれの概要を以下に示す。
 (1)フラッシュカード
 メモリカードとして最初に提案されもので、大きさはPCMCIAカードのサイズ(TypeⅡ、TypeⅢ)、81×59mmである。内部に制御用のATA (Advanced Technology Attachment)コントローラが組み込まれており、フラッシュカードが接続されたシステム(たとえばOS)側からはHDD(Hard Disk Drive)と同様の記憶装置とみなされる。この結果、特別なドライバソフトが不要なうえ、互換性も高く、PCMCIAのI/Fを標準に装備している機器(たとえば、ノートPCなど)ならば、スロットに差し込むだけで使用可能な点が特徴である。大きさが他のメモリカードより大きいこともあり、現在市場に出ているものでは記憶容量が一番大きい。
 このフラッシュカードは、主にノートPCなど、携帯が要求される携帯型 PCで多く使われている。
 (2)コンパクトフラッシュカード
 CFA (Compact Flash Associa­tion)が標準化を推進している小型のメモリカードで、大きさは32×44mm、厚さは3.3mmである。上記フラッシュカードの大きさが大きく、搭載できない機器のために小型化が必要として提案された。基本的な内部の構造はフラッシュカードと同一であり、アダプタを介してPCMCIAのスロットに接続する。記憶容量としても、フラッシュカードに次ぐ大きさのものを持っている。
 このコンパクトフラッシュカードは、記憶容最が大きく小型のメモリカードとして、高画素タイプのデジタルスチルカメラ用として使われていることが多い。
 (3)スマートメディア
 SSFDC (Solid State Floppy Disk Card)フォーラムが標準化を推進している小型で薄いメモリカードで、その大きさは45×37mm、厚さは0.76mmである。大きさが小さいことの他に、価格が安いことが特徴。接続方法としては、アダプタを介してPCMCIAのスロットに接続するのが一般的だが、それ以外にも、フロッピーディスクドライブでスマートメディアの内容を読み書きできるアダプタも存在する。
 その厚さが薄いことから、小型の携帯用機器に搭載されることが多く、特に、デジタルスチルカメラの分野での採用が多い。
 (4)マルチメディアカード
 大きさは32×24mm、厚さは1.4mmで、ROM版とフラッシュ版がある。外部接続のピン数(7ピン)が少ないうえ、消費電力が少ないのが特徴。
 (5)メモリスティック
 大きさは21×50mm、厚さは2.8mmで、外部接続のピン数(10ピン)が少ないうえ、内部に制御用のコントローラが組み込まれている。

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