半導体用語集
不動体化
英語表記:passivation
半導体の表面では、切れた結合手(ダンクリングボンド)の存在や、表面原子の再配列、あるいは不純物の吸着などにより、禁止帯中に表面準位が出現する。表面準位の密度がバルク内の不純物密度と比較してかなり高い場合には、表面準位が狭いエネルギー準位に集中しているので、バルク内のキャリアを捕獲しても表面フェルミ準位はほとんど変化しなくなる。このような現象は表面フェルミ準位のピンニングと呼ばれ、半導体素子で多用される金属-半導体接合、絶縁物-半導体接合の電気特性に大きい影響をもたらす。
また、たとえばNa汚染は、絶縁物ー半導体接合を利用した MOS構造素子に制御不可能な不安定性をもたらす。
表面フェルミ準位のピンニングを解消する技術、不純物汚染の防止技術、半導体素子の特性安定化技術としての表面パッシベーション技術は、半導体素子の開発や特性改善に重要な要素である。
たとえばシリコンにおいては、今日のLSI技術の発展は表面パッシペーション技術に負うところが大きい。すなわち、Si-SiO₂界面では、界面準位の少ない理想に近い特性がえられるため、本来不安定なシリコン表面を物理的化学的に安定なSi0₂膜で覆って安定化させることが可能となった。
また、Si₃N₄膜中では不純物の拡散定数がきわめて小さくNa イオンやH₂Oの透過性が小さい特徴を利用して、Si₃N₄膜はパッシベーション膜として広く用いられている。さらに、シリコン表面を清浄に維持する方法として水素終端による表面パッシベーションが有効に利用されている。すなわち、シリコン表面を水素原子で終端すると、不純物分子の化学吸着が抑制され、活性サイトの発生を防止するパッシベーション効果により、初期酸化が抑制され自然酸化膜の形成速度が遅くなる。また、水素は容易にSiO₂膜を透過するため、アニール中に水素が供給されると、Si-SiO₂界面のダングリングボンドを終端し、トラップセンターのパッシベーションが起こって界面準位密度を減少させる。
化合物半導体においても表面パッシベーション技術の早急な確率が望まれるが、化合物半導体-絶縁膜の界面においては、高密度の界面準位が発生しやすく、標準的な表面安定化技術を確立するに至っていない。
以上とは逆に、不活性化されたサイトの活性化が必要となる場合もある。
従来 ZnSe系やGaN系のワイドギャップ化合物半導体はp型伝導制御が困難な材料として知られてきたが、近年これらの材料ではアクセプタ不純物に水素が強く結合し、アクセプタ不純物を不活性化していることが原因として明らかとなった。このため水素除去によるアクセプタの活性化や無水素処理法を用いたドーピングが行われ、これらの材料でもp型伝導制御が可能となった。
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