半導体用語集

中性子照射放射化分析

英語表記:neutron bombardment radioactive analysis

原子番号Z、質量数Aの試料に中性子を照射すると核反応を起こして質量数A十1の放射性同位体に変化する。この時放出されるγ線のエネル ギーや半減期を測定することで、基の元素が同定・定量できる。この分析方法を中性子照射放射化分析といい、ごく微量の元素を10ー10gレベルの高感度で測定でき、定量の精度は土30%程度である。また放射化後の不純物の混入は影響を与えない。非破壊分析であるなどの特徴を有している。この核反応には原子炉内の減速した熱中性子が用いられる。熱中性子は放射化断面積が大きく、大きな線束密度がえられ、また多くの元素と核反応を起こしやすいので、同時に多種の不純物元素を定量できるという利点を持っている。γ線のエネルギーはLiを拡散したGe半導体検出器で分析する。熱中性子を用いてシリコン多結晶中や石英るつぼ中の重金属不純物の測定が行われ、石英るつぼ中にはFe、Na、Kが多いことが指摘された。
この方法の不利な点としては、原子炉などの特殊な装置が必要で、コストが高くなる。放射線の被爆のおそれがある。試料の大きさに制限がある、などであるが、微量分析の方法としてはきわめて有効である。


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