半導体用語集
光ヘテロダイン
英語表記:optical heterodyne detection
信号光と局部発振光を混合して光検出器で受光し、両者の周波数差に相当する電気信号をえる方法。光ヘテロダイン検波とも呼ばれる。
原理は、無線通信で用いられているヘテロダイン検波と似ており、光検出器がミキサの役割を果たす。フォトダイオードなどの光検出器では、入射した光電界の2乗(強度)に比例した電流がえられる。信号光電界をEs cos(ωst+θ(t))、局部発振光電界をELcos(ωLt) とすると、えられる光電流は信号光強度|Es|²、局部発振光強度|EL|²とそのビートであるEsEL cos[(ωs-ωL)t+θ(t)]に比例した成分の合成になる。このうちビート成分は、ωs-ωL(中間周波数と呼ばれる)を中心に信号電界がそっくり変換されており(ダウンコンバージョン)、この電気信号から信号光電界の振幅や位相情報がえられる。また、局部発振光電界ELに比例した信号電流がえられるため、局部発振光の強度を高くすることにより高い受信感度がえられる。
光ヘテロダイン検波では、局部発振光や信号光の雑音によるスペクトル広がり(位相雑音)は、信号帯域よりも十分に小さいことが要求される。また、局部発振光と信号光の周波数差を一定に保つ必要があるために、光源は高い周波数安定性を有する必要があり、フィードバック回路などによる制御が不可欠である。
光ヘテロダイン検波を用いれば、光の搬送波の周波数や位相に情報を乗せ、それを検出することにより無線通信で用いられてきたような位相変調・周波数変調などを用いた通信が光の領域で可能となる。また、搬送波周波数の異なる複数の光信号を用いた光周波数多重伝送が可能である。
中間周波数を0とする特別な場合が光ホモダイン検波であるが、この場合は信号光と局部発振光の位相差も一定に保つ必要があり、受信機の構成や光源などに要求される性能はまったく異なる。
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