半導体用語集
光通信用超高速IC
英語表記:ultra-high speed IC for optical communication systems
電子回路を用いた時分割多重方式(ETDM : Electrical Time Division Multiplexing)による光通信システムのフロントエンド回路構成の例を図1に示す。送信器は光部品であるレーザ光源と光信号を変調する変調器と、電気部品である多重回路と変調器ドライバ回路により構成される。多重回路は低速並列信号を高速信号に速度変換する機能を有し、変調器ドライバは多重回路の出力信号を受けて変調器を駆動できる電圧まで増幅する機能を有する。受信器は伝送路で劣化した光信号に対して光電気変換を行い識別に適した波形に整形増幅する機能を有する等化増幅部、等化増幅後の信号からクロック信号を抽出するクロック抽出部、等化増幅後の信号を抽出されたクロック信号でパスルの有無を識別し再生する識別再生部から構成される。ファイバ中を伝送された光信号は、フォトディテクタにより光/電気変換された後に等化増幅部に入力される。等化増幅部はプリアンプ(pre amplifier)、AGCアンプ(Auto Gain Control amplifier)およびポストアンプ(post amplifier)で構成される。これらアンプには、伝送レートをカバーできるだけの帯域特性の他に、プリアンプには低雑音特性、AGCアンプには等化増幅部出力を一定に制御するための利得制御機能、ポストアンプにはシステム構成にも依存するが高利得特性が要求される。クロック抽出部の構成には大きく受動共振器を用いる方式と位相同期ループ(PLL : Phase Locked Loop)を用いる方式がある。10 Gbit/sを超えるような超高速システムにおいては、回路構成の簡単な受動共振器を用いる方式が用いられる。しかしながら、低ビットレートのシステムにおいては、受信器の小型化が可能な位相同期ループを用いる方式が用いられており、近年では2.4 Gbit/s程度の伝送レートのシステムにおいても位相同期ループ方式が適用され始めている。受動共振器を用いる方式では図1にあるように、データ信号からクロック信号周波数成分を抽出する微分全波整流回路、微分全波整流回路の出力信号のキャリア成分以外を抑圧する共振器、共振器出力を飽和増幅するリミッティング増幅器により構成される。一般的に長い同符号連続信号に対して安定してクロック抽出可能なように、共振器には高いQ値が、リミッティング増幅器には高ダイナミックレンジ、高飽和出力、低位相偏差が要求される。識別再生部は識別回路により構成され、識別回路により識別再生された信号は分離回路により低速信号に速度変換される。送信器の多重回路も含め識別回路、分離回路には伝送レートで動作可能であることが要求される。さらに、識別回路には高い入力感度特性と広いクロック位相マージンが要求される。
現在、電子回路を用いた時分割多重方式による光通信システムは伝送レート40 Gbit/sのシステムが研究段階にあり、本システム実現に向けて化合物半導体を用いた高速電子回路の研究開発が活発化している。これまでに、40 Gbit/sシステム用送受信回路用チップセットとしては、InP HEMTを用いたものが報告されている¹⁾。
参考文献
1) M. Yoneyama, A. Sano, K. Hagimoto, T. Otsuji, K. Murata, Y. Imai, S. Yamaguchi, T. Enoki and E. Sano: "Optical Repeater Circuit Design Based on InAlAs/InGaAs HEMT Digital IC Technology", IEEE Trans. on Microwave Theory and Techniques, vol. 45, no. 12, pp. 2274~2282 (1997)

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