半導体用語集

化学増幅型レジスト処理装置

英語表記:chemically amplified resist processmg equipment

化学増型レジスト処理装置とは、 先に説明した「レジスト塗布処理装置」、「レジスト現像処理装置」とほぼ同様の装置構成をとる。
<化学増幅型レジスト処理装置を構成するウェハ処理モジュールと処理フロー>
(1)化学増幅型レジスト
g線(436nm)、i線(365nm)の露光波長に対応したノボラック樹脂を主成分としたレジストから発展した微細化対応のレジスト材料。べース樹脂、酸発生剤を主成分とする。パターニング露光によって酸発生剤からプロトン酸が発生し、続くべーキング処理によって触媒反応と酸拡散が誘起されるという反応形態を取る。
(2)従来装置構成との差異:代表的な例(処理フロー順に記載) <i線レジスト対応装置>
Ⅰ)アドヒジョン処理
Ⅱ)レジストスピン塗布
Ⅲ)レジスト乾燥/固化べーキング
Ⅳ)パターニング露光
Ⅴ)現像前べーク(PEB)
Ⅵ)現像処理
Ⅶ)高温べーキング
<化学増幅型レジスト対応装置>
Ⅰ)反射防止膜スピン塗布
Ⅱ)高温べーキング
Ⅲ)レジストスピン塗布
Ⅳ)レジスト乾燥べーキング(PAB)
Ⅴ)パターニング露光
Ⅵ)現像前べーク
Ⅶ)現像処理
Ⅷ)高温ベーク
(3)従来装置と異なるレジスト処理
モジュール
a)反射防止膜スピン塗布
別項「レジスト塗布処理装置」のレジストスピンコータと同モジュールを使用して処理される。反射防止膜となる薬液に酸性分が含有されている場合があるため、金属部品は耐食処理が施されている。
b)反射防止膜用高温べーキング
別項「レジスト現像処理装置」のハードベーク用ホットプレートオープンを使用する。紫外線の吸収特性を高めるために、200℃以上で処理される場合もある。
c)レジスト乾燥べーキング (PAB)
g、i線対応のレジスト乾燥べークをプリべーク、ソフトべークと呼ぶのに対し、PAB (Post Apply Bake) と呼ばれる。レジスト溶剤の乾燥度合 (残留量)が線幅に直接関与するため、PEBの温度との組み合わせで加熱温度が決定される。処理装置は、別項「レジスト塗布処理装置」のホットプレートオープンを使用する。
d)現像前べーク
化学増幅型レジストの線幅制御では、重要なプロセス処理。レジストパターンの寸法が加熱温度に依存しているため、ウェハ面内の温度均一性を確保する考慮がなされている。べーキングのトータル熱量の管理も重要なため、べーキング後は速やかにウェハ冷却する必要がある(図1)。速やかなウェハ冷却のために、ホットプレートオープンとクーリングプレートを合体させた処理装置もある(図2)。
(4)雰囲気管理の必要性
化学増幅型レジストは、現像液溶解特性の選択性を持たせる反応種にプロトン酸を用いているため、レジスト塗布膜近傍の雰囲気に塩基性物質が相当量存在すると、反応種が失活しT-Toppingと呼ばれる庇状のレジストパターン解像不良が発生する。
「レジスト塗布現像装置」内でウェハが搬送されるすべての領域は、塩基性分が除去された清浄な雰囲気が保たれていなくてはならない。
一般的には、塩基成分除去フィルタ (ケミカルフィルタ)を介した清浄な雰囲気が装置上部から内部へ供給される機能を設けている。
(5)化学吸着フィルタ(ケミカルフイルタ) (図3)
塩基成分(特にアンモニア)をppb オーダまで効率的に除去する性能を有し、半導体製造装置に搭載するために、低圧損化、軽量化、無塵化、長寿 命化などが図られている。吸着方法には,酸との中和反応や、イオン交換反応を用いたものがあり、プリーツ状、ハニカム状の構造を取っている。


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