半導体用語集
半導体の社会へのインパクト
英語表記:semiconductor's impact to society
半導体の社会へのインパクトは、いくつかの段階で進んだ。第一段階は、それまで電子機器に用いられていた真空管の代替である。半導体は、真空管にくらべて、小型・軽量、低消費電力であり、電子機器の軽薄短小化をもたらした。これによって、TVも、ラジオも、それまでの大型なものとくらベれば、圧倒的に小型・軽量で、低消費電力となったのである。これにより、電子機器は飛躍的に使い勝手を向上した。また、後年には、ゲームやノートPC、携帯電話など、軽薄短小ならではの電子機器も誕生することとなる。第二段階は、半導体を集積化することで、複数の機能を一つのチップにまとめ、微細加エレベルをどんどん上げることで、どんどん高集積化が可能になった。このため、高機能化、高付加価値化が進んでいるにもかかわらず、小型・軽量、低消費電力は維持され、しかも重要なことは、機能当たりのコストは、 どんどん低下していった。さらに、もともと半導体チップは、地上に無尽蔵にあるシリコンを使っていることもあり、原材料費は安く、大量生産によって一気にコストが下がる。すなわち、半導体は電子機器の低コスト化を加速し、大衆化を促進した。これによって、小さく軽く安く高機能の電子機器の本格普及が始まり、それがさらに高集積化と大量生産化で、機能を向上させコストを下げるという好循環に入った。第三段階は、マイクロプロセッサの登場によって、半導体にソフトが搭載されたことである。これによって、電子機器は初めて知識を持った。計測、制御、計算、ノウハウ、画像処理など様々な人類のノウハウが、爪の先ほどのチップに積み込まれ、電子機器の高付加価値化、高機能化を加速化した。かつては一部のエリートに独占されていた情報が、 どんどん大衆化した。また機器の高効率化、省エネ化、安全化も向上した。もし半導体が、情報やメディアと無関係であれば、これほどの発展はなかっただろう。しかし、エネルギーや物質は有限だが、情報は無限であり、人間が動物と異なるのも、情報処理能力であり、それだけに、情報に対する欲求は無限大であり、その価格弾性は大きい。これこそが、半導体の市場規模が機能当たり価格は著しく低下しているにも関わらず、高い成長を続けている理由であろう。半導体産業の重要性も増しており、かつての鉄に代わって産業の米といわれるまでになった。現在の電子機器はほとんど半導体、すなわちシリコン、珪石でできており、しかも地球上に存在する物質で最も多いのがこのシリコンであるため、半導体時代を珪石器時代と呼ばれる。これを可能にしたのが、半導体の絶え間ない技術革新であり、技術革新の速いエレクトロニクスの中でも、最も速くダイナミックに進んできた。加工サイズの微細化とチップ当たりの集積度の向上は、半導体デバイスの機能、性能を幾何級数的に向上させ、同時に様々な機器においてその機能をどんどんチップに取りこんでいった。こうした集積回路ICの機能向上が、あらゆるエレクトロニクス機器の技術革新の源流になっていることを忘れてはならない。
関連製品
「半導体の社会へのインパクト」に関連する製品が存在しません。キーワード検索
フリーワードやカテゴリーを指定して検索できます
関連用語
関連特集
「半導体の社会へのインパクト」に関連する用語が存在しません。
「半導体の社会へのインパクト」に関連する特集が存在しません。
会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。