半導体用語集

国際協調

英語表記:international co-operation

 こうした各国の半導体技術を巡る覇権争いを経て、国籍、企業を超えた新たな動きも出てきている。第一は、企業間ですでに始まっている国際提携の動きである。すなわち、日本メーカーからみれば、提携は、欧州、米国、韓国・台湾と、三極化しており、欧州、米国との提携は中長期での研究開発も含めた提携、韓国・台湾、特に台湾との提携は、生産能力でのリスクヘッジを考えたものとなっている。また、欧米メーカーも生産拠点として、台湾には関心を示している。第二は、日米半導体摩擦などの経験を踏まえた国際協調である。その中で、まずは、WTOの設立である。GATTウルグアイ・ラウンドは、7年の歳月をかけてWTO(世界貿易機構)の設立を決め、1995年1月に発足した。WTOは、多角的、自由・無差別、内国民待遇・最恵待遇を基本理念として、自由貿易の推進と拡大に向けて活動する。GATTが、モノについてのみ扱っていたのに対し、 WTOはサービスやIP(知的財産権)も扱う。ものについては、「貿易の技術的障害に関する協定」、「アンチダンピング協定」、「関税評価協定」、「補助金相殺措置協定」など半導体のグローバル化には関係が深い。また、IPについても、WTOにWIPOが組み込まれ、半導体産業の特殊性を考慮して注記事項を入れるなどの配慮がなされている。なおダンピングについては、半導体産業の特有の立ち上がり時でのコストの計算方式に再考の余地があり、また、国際的な独占行為に対する処理などには触れられていない。もう一つは、世界半導体会議の設立であり、1996年終結した二国間協定としての日米半導体協定を、さらに発展させるものとして、世界規模での多国間協力のため、前述のWTOの精神に則り、設立された。具体的な活動内容としては、ユーザーサプライヤ間協力、サプライヤ間協力、半導体市場・貿易フローに関する総合分析の三つのテーマでの協力活動の実施とアンチダンピング措置の重要性の認識である。この中で、サプライヤ間協力では、12インチなど標準化や、テクノロジーロードマップの策定などが注目される。半導体の国際競争を論じる際に、従来は、日本と米国、あるいは韓国というように、地域別の競争を論じられてきたが、これからは、それを超えた議論が必要であろう。

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