半導体用語集
横広がり抑制
英語表記:lateral spread control
ウェル層を形成する際には拡散法による形成でも、イオン注入による形成でも必ずマスクが必要である。ウェル層の厚さまたは深さは数ミクロンに達する。拡散法によって形成する場合、不純物の拡散は等方性のため必要とするウェル層の厚さと同じだけ横方向に拡散することとなり、当然横に広がる不純物分布を見込んでデバイス間の距離を決定しなくてはならないのは自明である。ウェル層の拡大はデバイスサイズ、寄生回路素子の点に間題がある。
一方、イオン注入によるウェル層の形成では、イオンの直進性が高いため、横方向の不純物分布ははばマスクの開口部のサイズによって決定される。基盤内に入射したイオンは原子と衝突を起こすため、基盤内をジグザグに進むためマスクの下側に分布することになるが、飛程にくらべて十分に小さい。また、不純物濃度も小さいことから、より深くに不純物を導入する技術として高エネルギーイオン注入の導入はデバイスサイズの微小化において非常に有用である。イオン注入損傷を回復させる熱処理が必要であることから、この熱処理時に注入した不純物が横方向に拡散するが、一般的に注入損傷の熱処理温度および時間は拡散法に必要な条件よりも低温および短時間で あることから、注入した不純物の横方向の広がりは拡散法にくらべ十分に抑制される。
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