半導体用語集
添加不純物の増速拡散
英語表記:enhanced diffusion of dopant
ホウ素(B)、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)などの添加不純物(ドーパント不純物)の拡散係数が酸化膜界面近傍の領域、照射損傷を受けた領域、高濃度不純物領域などで増大する現象を増速拡散(enhanced diffusion)と呼ぶ。酸化による増速拡散は特に酸化増速拡散(oxidation enhanced diffusion)と呼ぶ。これらの現象はいずれの場合も、点欠陥(空孔と格子間シリコン)の濃度が変化し、点欠陥濃度が拡散係数に影響することが原因となって起こる。
不純物原子は格子点にある時はその位置を替えず、空孔や格子間シリコンと対になった状態で初めて移動する(空孔機構とインタースティシャルシ 一機構)。したがって不純物の拡散係数Dは、次式で与えられる。
D = Dᴠ (Cᴠ /Cᵉᵟᴠ) + Dɪ (Cɪ / Cᵉᵟɪ)
ここで、DᴠとDɪはそれぞれ空孔機構とインタースティシャルシー機構で支配される拡散係数である。CᴠとCɪはそれぞれ空孔と格子間シリコンの濃度、またCᵉᵟᴠと Cᵉᵟɪはそれぞれの平衡濃度である。
ところで不純物の拡散機構には不純物イオンの半径が影響していて、Siの共有結合半径との比較でイオン半径が小さいB、Pはインタースティシャルシー機構で拡散し、半径が大きいSbは空孔機構で拡散し、半径がSiに近いAsは両方の機構で拡散する。したがって、格子間シリコンが注入された場合B、P、AsなどではDɪが支配的であるためDは増加し、SbではDᴠが支配的であるためDは減少する。
以上により、シリコン単結晶中の点欠陥はドーパント不純物の拡散を速めたり遅くするため、デバイス性能に大きな影響を与える。
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