半導体用語集

添加不純物の表面酸化による増速拡散、酸化増速拡散

英語表記:oxidation enhanced diffusion of dopant, OED : Oxidation Enhanced Diffusion

 酸化性の雰囲気下ではホウ素(B)、リン(P)、ヒ素(As)などの添加不純物(ドーパント不純物)のシリコン中の拡散係数が、不活性雰囲気中での拡散係数にくらべて増大する現象。酸化時には界面での酸化反応
   2Si + O₂ → SiO₂ + I
により格子間シリコン(I)が発生し基板内部に深くまで拡散するため、不純物の拡散係数が増大する。これを酸化増速拡散(OED : Oxidation-Enhanced Diffusion)と呼ぶ。逆にSbは酸化雰囲気中では減速される(Oxidation-Retarded Diffusion)。
 低不純物濃度(10¹⁹ cm⁻³ 以下)のシリコン結晶中のⅢ、Ⅴ族元素の不純物拡散機構は2種に分類できる。第一は空格子機構または空孔機構(vacancy mechanism)で、不純物原子がシリコンの空格子点と位置交換を行いながら拡散する。この時の拡散係数Dᴠは隣接格子点に空格子点がやってくる確率に比例する。第二はインタースティシャルシー機構(interstitialcy mechanism)で、格子間位置のSiが格子位置の不純物元素に作用し不純物原子を格子間位置に玉突きのように押し出して、Siが代わって格子位置に入ることによる拡散機構である。この時の拡散係数Dɪは不純物原子の隣に格子間シリコンがやってくる確率に比例する。酸化時の不純物の拡散係数Dは、
   D = Dᴠ + K・Dɪ・Cɪ
となる。ここで、Cɪは格子間シリコン濃度である。B、P、Asは主にインタースティシャルシー機構により拡散し、Sbは共有結合半径が大きいため空孔機構により拡散する。
 酸化増速拡散には結晶方位依存性があり、{100}面の方が{111}面よりも顕著である。これはSiO₂-Si界面の不飽和結合の量が{100}が最も少なく{111}では多いため、不飽和結合により格子間シリコンが捕獲されて消滅し、結晶内部に拡散する量が減少するためである。

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