半導体用語集
減圧エッチング
英語表記:vacuum etching
アルミ(Al)をエッチングするには、通常H3PO4系が用いられ、H3PO4にHNO3とCH3COOHおよびH2Oを加え、16:1:2:1の容積比の混液を用いる。40℃程度に加熱する。しかし、この溶液系は粘性が高いため、エッチング中に発生した水素が発生し、容易には離脱せず、エッチングの進行が妨げられ、配線間が繋がり短絡することがあった。そこで、その気泡の除去のため数分に一度づつ液中からウェハを出す必要があった。減圧エッチングはこの改善のため開発された方法である。本方法は、アルミが堆積され、それにパターンニングされたウェハをバッチでエッチング槽に浸し、そのエッチングを真空チャンバに入れて、9~80Torrの真空下で排気しながらエッチングすると、水素気泡はきわめて急速に膨張し基板から離脱する。さらに、その離脱過程で液の攪拌も同時に行うので均一なエッチング可能となる。また、常圧のウェットエッチングでは、エッチング形状は等方的であるが、そのアンダカット量は圧力の低下とともに減少し、9Torr では異方的形状に近くなる。これは、発生した水素がエッチング側壁から離脱し難くなるため、側壁をエッチャントから保護する効果によると考えられる。市販の装置では、一枚のアルミのウェハと液に浸した白金板との間に発生する電気化学的電流を測定することにより終点検出も可能になっている。本方法では、ITO (酸化インジウム鉛)やCr膜もエッチングすることができる。
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